10月15日 好材料で注目の5銘柄
10月14日の大引け後に発表された決算・業績修正のなかから、PTS(私設取引システム)でも大きく買われた5銘柄を取り上げます。いずれも「業績の上振れ」「株主還元の強化」「値上げによる利益率改善」など、数字で裏付けのある材料を持つ銘柄です。
ただし、PTSで上昇したからといって翌日の東証で同じように上がるとは限りません。今夜は米国のCPI(消費者物価指数)の発表も控えており、地合い次第で反応が変わる点には注意が必要です。
5銘柄の一覧
| 銘柄 | コード・市場 | 14日終値 | PTS(16:30時点) | 主な材料 |
|---|---|---|---|---|
| 東洋電機製造 | 6505・東証S | 2,329円 | 2,755円(+18.3%) | 通期経常を43%上方修正・最高益・増配 |
| PR TIMES | 3922・東証P | 2,131円 | 2,578円(+21.0%) | 配当方針を変更し期末配当を大幅増額 |
| サイゼリヤ | 7581・東証P | 6,550円 | 7,500円(+14.5%) | 来期最高益予想・上場来初の大規模値上げ |
| ケイブ | 3760・東証S | 743円 | 829円(+11.6%) | 1Q経常が黒字浮上・通期計画の約6割を達成 |
| ELEMENTS | 5246・東証G | 1,030円 | 1,138円(+10.5%) | 3Q累計で黒字浮上・通期予想をレンジ上限で確定 |
1. 東洋電機製造(6505)
材料:最高益への上方修正と大幅増配
鉄道車両用の電機品大手。27年5月期第1四半期(6〜8月)の経常利益は12.6億円と前年同期の2.4倍に拡大しました。あわせて通期の経常利益予想を28億円から40億円へ42.9%引き上げ、従来の減益予想から一転して13.6%の増益、3期連続の最高益更新を見込みます。
配当も中間・期末ともに58円から69円へ増額し、年間138円(前期100円)となります。1Qの売上営業利益率は前年同期の4.4%から10.3%へ大きく改善しました。
ここがポイント
時価総額約227億円の小型株で、PBRは0.6倍台と割安圏にありました。そこへ4割を超える上方修正と増配が重なり、14日終値で計算した配当利回りは約5.9%に達します。今回の5銘柄の中で最も「業績・還元・割安感」がそろった材料です。
注意点
信用倍率が80倍台と買い残が積み上がっており、上昇局面では戻り売りや利益確定売りが出やすい需給です。
2. PR TIMES(3922)
材料:配当方針の変更による大幅増配
プレスリリース配信サービス大手。上期(3〜8月)の経常利益は17.7億円と前年同期比5.7%減で、決算そのものは減益でした。それでも通期経常予想は32.3億円から32.9億円へ小幅に上方修正しています。
最大の材料は株主還元です。配当方針の変更と資本配分方針の策定を同時に発表し、期末配当を従来計画の16.8円から74.3円へ大幅に増額しました(前期は13.8円)。14日終値ベースの配当利回りは約3.5%になります。
ここがポイント
自己資本比率が高く、手元資金が厚い会社が還元強化へ舵を切ったことが評価されています。PTSでは5銘柄の中で最も大きな上昇率でした。
注意点
本業は6〜8月期単独で経常12.3%減益、売上営業利益率も42.6%から34.5%へ低下しています。配当で買われた後、成長鈍化が意識されると上値が重くなる可能性があります。
3. サイゼリヤ(7581)
材料:来期の最高益予想と値上げ
26年8月期の連結純利益は110億円(前期比1.1%減)でしたが、27年8月期は21%増の134億円と最高益を見込みます。売上高は11%増の3,337億円の計画です。
あわせて10月29日からメニューの8割強を平均6%値上げすると発表しました。看板商品の「ミラノ風ドリア」は300円から320円になります。メニュー全般に及ぶ大規模な値上げは1998年の上場以来初めてです。年間配当は35円で据え置きです。
ここがポイント
7月にも値上げ検討の報道と好決算でストップ高になった経緯があり、市場は「価格転嫁による利益率の改善」を強く評価しています。今回は値上げが正式に決まったことで、その期待が裏付けられた形です。
注意点
来期の純利益予想134億円は、QUICKコンセンサス(市場予想平均)の148億円を下回っています。前期は為替だけで31.7億円の減益要因が出ており、円安の進行や値上げによる客離れには注意が必要です。
4. ケイブ(3760)
材料:大赤字からの黒字浮上
スマホゲーム開発会社。27年5月期第1四半期(6〜8月)の経常利益は9億円の黒字(前年同期は3.9億円の赤字)に浮上し、通期計画15.5億円に対する進捗率は58.6%に達しました。売上高は26.9億円と前年並みながら、売上営業利益率はマイナス21.5%からプラス20.7%へ急改善しています。
前期(26年5月期)は不採算タイトル関連の損失で最終赤字が約28億円に膨らみましたが、四半期ベースでは前期4Qから2四半期連続の黒字となりました。
ここがポイント
1Qだけで通期計画の6割近くを稼いでおり、通期の上方修正を期待する買いが入りやすい状況です。
注意点
営業利益5.6億円に対し経常利益は9.1億円と、営業外収益の上乗せが大きく、一過性要因が含まれている可能性があります。無配で自己資本比率も3割弱と、財務面の余裕は大きくありません。
5. ELEMENTS(5246)
材料:黒字定着と通期予想の上限確定
オンライン本人確認(eKYC)などの個人認証サービスを展開。26年11月期第3四半期累計(25年12月〜26年8月)の経常利益は4.1億円の黒字(前年同期は1.8億円の赤字)に浮上しました。6〜8月期単独でも1.2億円の黒字です。
通期の経常利益予想は従来の「2億〜3億円」から「3億円」へ、レンジの上限で確定させました。営業利益予想も3.5億円から4億円へ引き上げています。売上高は前期比46%増の57億円を見込みます。
ここがポイント
1Q・2Qに続いて3Qも黒字を確保し、赤字体質からの脱却が数字で確認できた点が評価されています。
注意点
修正幅は小さく、会社計画どおりなら9〜11月期(4Q)は経常で1.1億円程度の赤字になる計算です。年末にかけての4Q実績次第で評価が揺れる可能性があります。
明日の見どころと注意点
- PTSの値は参考程度に:PTSは出来高が薄く、翌朝の寄り付きで上昇幅が縮むことがよくあります。
- 米CPIの結果:インフレが強ければ米金利上昇で日本株全体が売られる可能性があります。
- 金融株の地合い:14日は米大手金融機関の決算を受けてメガバンクや地銀株が下落しており、地合いの弱さが個別株にも波及するかに注目です。
- 寄り天に注意:好材料株は寄り付き直後に高値をつけ、その後に利益確定売りで押し戻される「寄り天」になりやすい点も意識しておきたいところです。
※本記事は10月14日夕方時点の公開情報をもとにした情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株価やPTSの値は時間とともに変動します。投資判断はご自身の責任でお願いします。
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