2026.10.20am

10月19日引け後に好材料を発表した注目5銘柄

10月19日の大引け後、業績の上方修正や増配といった好材料を開示した銘柄の中から、20日の寄り付きで注目されやすい5銘柄を選びました。コーエーテクモHD、GMOグローバルサインHD、シライ電子工業、南陽、SEHIの5社です。

19日の相場と選定基準

19日の日経平均は前日比407.59円安の64,916.70円と反落しました(ToMO Blog)。米SOX指数が8日続落し、AI・半導体関連が売られる地合いでした(株探)。こうした中で、業績という個別の裏付けがある銘柄に資金が向かうかが20日の焦点です。

選定基準は次の3点です。

  • 19日引け後の適時開示で、業績予想の上方修正または増配を発表した
  • 修正幅が大きい、または「一転増益」「最高益更新」など見出しのインパクトがある
  • 株探の「サプライズ決算」「イチオシ決算」に取り上げられた(株探)

ご注意:本記事は開示情報の整理であり、翌日の株価上昇を保証するものではありません。好材料は前日のPTSや寄り付きの気配で織り込まれることも多く、野村證券の分析では増配発表の翌営業日の株価反応は中央値で+0.5%前後にとどまるとされています(野村證券)。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. コーエーテクモホールディングス(3635・東証P)

上期(2026年4〜9月)の経常利益予想を120億円から250億円へ2.1倍に引き上げ、減益予想から一転して前年同期比40.5%増益の見通しになりました(株探)。

項目(上期) 前回予想 修正後 修正率
売上高 340億円 370億円 +8.8%
営業利益 70億円 115億円 +64%
経常利益 120億円 250億円 +108%
純利益 90億円 180億円 +100%

出典:gamebiz

上方修正の理由:前年度に発売した大型タイトルや過去作(バックカタログ)の販売が好調で、売上と営業利益を押し上げました。加えて資産運用による営業外収支が計画を上回り、経常・純利益が倍増しています(株探)。

注意点:経常利益の上振れの多くは本業ではなく運用益によるものです。通期の経常利益予想420億円は据え置かれており、通期修正の判断は今後に持ち越されています。同社は例年この時期に上期を上方修正する傾向があり、市場がどこまで織り込んでいるかも見極めが必要です。

2. GMOグローバルサイン・ホールディングス(3788・東証P)

2026年12月期の最終利益予想を10.5億円から13.1億円へ24.7%引き上げ、6期ぶりの最高益更新を見込みます。期末配当も59.67円から74.35円へ14.68円増額しました(株探)。

上方修正の理由:子会社株式の売却益4.4億円を計上する見込みとなったことが主因です(MONEY BOX)。電子認証・印鑑事業は今期に入って好調で、第1四半期は売上高13.4%増、営業利益50.8%増でした(Yahoo!ファイナンス)。

注目ポイント:配当性向50%前後を目安とする業績連動型の配当方針のため、利益の上振れがそのまま増配につながっています。増配幅は約25%と大きく、配当利回りの上昇が買い材料になりえます。

注意点:今回の上方修正は売却益という一時的な要因が中心で、本業の利益見通しが大きく変わったわけではありません。来期は特殊要因がはげ落ちる点も意識しておきたいところです。

3. シライ電子工業(6658・東証S)

2027年3月期の経常利益予想を8億円から16億円へ2倍に引き上げ、期末配当も20円から28円へ8円増額しました。減益率は56.1%減から12.2%減へ大きく縮小します(株探)。

項目(通期) 前回予想 修正後
売上高 290億円 320億円
営業利益 8.5億円 18億円
経常利益 8億円 16億円
年間配当 20円 28円

出典:株探

上方修正の理由:プリント配線板の販売価格改定が顧客に受け入れられ、当初想定していた利益率の悪化をある程度抑えられる見通しになりました(株探)。

注目ポイント:19日終値は444円(株探)。修正後の配当で利回りは6.33%、PERは6.7倍、PBRは0.62倍と、数字の上では割安感が際立ちます(株探)。慢性赤字だった透明フレキシブル基板(SPET)事業からの撤退も同時に発表しており、不採算事業の整理としても評価されやすい内容です(不景気.com)。

注意点:時価総額は約67億円と小型で、値動きが荒くなりやすい銘柄です。修正後でも前期比では減益見通しで、配当も前期の35円を下回ります。

4. 南陽(7417・東証S)

上期(2026年4〜9月)の経常利益予想を12.5億円から16.5億円へ32.0%引き上げ、一転して27.2%増益となり、2期ぶりに上期の過去最高益を更新する見通しです(株探)。

上方修正の理由:建設機械のレンタル部門で公共・民間の工事需要が好調に推移し、レンタル機械の稼働率が上がりました。産業機器事業でも設備投資需要が回復しています(株探)。

注目ポイント:運用益や売却益ではなく、本業の稼働率向上による上振れである点が5銘柄の中でも質の高い材料です。PERは9.4倍、PBRは0.76倍、配当利回りは3.68%(株探)。同社は過去にも中間期の上方修正後に通期修正や増配を重ねてきた実績があり、11月9日予定の中間決算で通期予想や配当の見直しがあるかが次の焦点です(株探)。

注意点:通期の経常利益予想32億円は据え置かれました。上期の上振れ分が下期の反動で相殺される可能性も残ります。

5. SEホールディングス・アンド・インキュベーションズ(9478・東証S)

2027年3月期の経常利益予想を7.3億円から10億円へ37.0%引き上げ、減益予想から一転して24.5%増益の見通しになりました。上期の経常利益予想も3.6億円から7.6億円へ2.1倍とし、5期ぶりに上期の最高益を更新する見込みです(株探)。通期の営業利益予想も8.5億円から11億円に増額されています(gamebiz)。

上方修正の理由:投資運用事業の収益が前回予想を大きく上回る見込みとなったためです(gamebiz)。

注目ポイント:修正後のPERは10.9倍、PBRは0.64倍と割安圏にあり、時価総額は約83億円です(株探)。10月22日に中間決算の発表を控えており、短期間に材料が続く点も注目されます。

注意点:会社側の説明では、投資運用以外の事業収益はおおむね前回予想を下回る見込みです(株探)。上振れは運用益頼みで、本業の回復を示すものではない点に注意が必要です。

まとめ

材料の「質」で見ると、本業の稼働率向上による南陽と、価格改定で利益率を守ったシライ電子工業が手堅い内容です。修正幅のインパクトはコーエーテクモHDが最大ですが、運用益の比重が大きい点は割り引いて見る必要があります。

銘柄 材料 上振れの主因 本業寄与
コーエーテクモHD(3635) 上期経常2.1倍に修正 大型タイトル・旧作販売+運用益 一部
GMOグローバルサインHD(3788) 通期最終25%上方修正、14.68円増配 子会社株式売却益 小
シライ電子工業(6658) 通期経常2倍に修正、8円増配 販売価格改定の浸透 大
南陽(7417) 上期経常32%上方修正、上期最高益 レンタル稼働率向上、設備投資回復 大
SEHI(9478) 通期経常37%上方修正、一転増益 投資運用事業の収益 小

20日の寄り付きでは、19日の米国市場や半導体株の動向によって全体の地合いが大きく変わる可能性があります。好材料銘柄でも、寄り付きで高く始まった後に利益確定売りで押し戻される「材料出尽くし」の展開には注意してください。

本記事は情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。

参考資料

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