2026.10.21.am

10月21日に注目したい好材料5銘柄

10月20日は全体が大きく崩れた一日でしたが、引け後から夜間にかけて「明日も買いが入りやすい」個別材料がいくつも出ました。そのなかから、材料の中身が具体的で、夜間PTSやストップ高の買い残など市場の反応も確認できた5銘柄を取り上げます。

10月20日の相場と選定基準

日経平均は前日比841円安の64,075円で続落し、取引時間中には下げ幅が1,100円を超える場面もありました。AI・半導体株への売りが重く、東証プライムの約76%の銘柄が値下がりしています。

地合いが悪い日ほど、業績や提携といった個別材料に資金が集まりやすくなります。今回は次の3点で絞り込みました。

  1. 10月19日〜20日の引け後に開示された、数字で確認できる好材料であること(上方修正・増配・資本業務提携など)
  2. 20日夜のPTSで東証終値を大きく上回って取引されている、またはストップ高比例配分で買い注文が残っていること
  3. 材料のマイナス面(希薄化、下期の見通しなど)も含めて説明できること

なお、ここでの「注目」は明日の上昇を約束するものではありません。寄り付きで材料が織り込まれ、そこから売られるケースも珍しくない点は最後にまとめています。

1. ヴィア・ホールディングス(7918・東証スタンダード)

材料:上期経常益を2倍に上方修正、通期も61.5%増額

「やきとりの扇屋」などを展開する外食企業です。20日16時に、27年3月期上期(4〜9月)の経常利益予想を1.5億円から3.07億円へ引き上げました。前年同期は0.81億円の赤字だったので、大幅な黒字転換です。通期の経常利益も2.6億円から4.2億円に修正しています。

会社は中期経営戦略に基づく収益改善に加え、監査等委員会設置会社への移行で役員関連費用が減ったことを理由に挙げています。8月の第1四半期決算でも上方修正しており、今期2回目の上方修正です。

市場の反応: 20日の東証終値は101円。PTSでは111.7〜112.8円と、終値比で10%超高い水準で取引されました。

ここに注目: 時価総額は約46億円と小さく、株価も100円前後のため値動きが軽い銘柄です。一方で無配が続いており、過去には赤字と優先株による資本増強も経験しているため、業績の持続性を見極めたいところです。11月10日の決算発表で上期実績が予想通り着地するかも確認ポイントです。

2. リネットジャパングループ(3556・東証グロース)

材料:業界大手3社との資本業務提携、最大約54億円を調達

ネット宅配での小型家電リサイクルや中古品リユースを手がける会社です。19日の引け後、JX金属サーキュラーソリューションズ、SGホールディングス(佐川急便の親会社)、PCS Wirelessの3社と資本業務提携すると発表しました。第三者割当の新株と新株予約権で、最大約54.48億円を調達する計画です。

資金は全国規模の回収網づくり、中古IT機器の取扱拡大、M&Aに充てます。非鉄大手の再資源化技術、大手物流の配送網、海外の端末調達網が一度に手に入る点が評価されました。

市場の反応: 20日は終日買い気配のまま、ストップ高の900円(+150円)で比例配分となり、約2万4,700株の買い注文を残しました。PTSでは1,050円と、21日のストップ高水準で取引されています。

ここに注目: 買いが残ったまま越えているので、21日も寄り付きから需給が強くなりやすい形です。ただし新株の発行価格は1株718円と20日終値を大きく下回り、新株だけで発行済み株式の約2割に相当します(予約権の行使分は別)。希薄化を意識した利益確定売りが出るタイミングには注意が必要です。

3. シライ電子工業(6658・東証スタンダード)

材料:通期営業益を2倍超に上方修正、増配、赤字事業から撤退

カーエレクトロニクス向けが主力のプリント配線板メーカーです。19日の引け後、27年3月期の売上高予想を290億円から320億円、営業利益を8.5億円から18億円へ引き上げました。顧客に値上げが受け入れられ、想定していた利益率の悪化をかなり抑えられる見通しになったことが理由です。

期末配当も20円から28円へ8円増額。あわせて、販売不振で慢性的な赤字だったSPET事業(耐熱性の高透明フレキシブル基板)から撤退し、12月末で受注停止、来年3月末で製造を終える方針も示しました。

市場の反応: 20日はストップ高の522円(+80円)で比例配分となり、約14万1,200株の買い注文を残しました。PTSでは599円前後(終値比+15%程度)で取引されています。

ここに注目: 上方修正・増配・構造改革の3点がそろい、材料の質は今回の5銘柄でも上位です。ただし修正後でも営業利益は前期比11.3%減で、「減益幅が縮小した」という内容である点は押さえておきたいところです。

4. ハウテレビジョン(7064・東証スタンダード)

材料:今期利益予想をレンジ形式で上方修正、追加修正の可能性にも言及

就活サイト「外資就活ドットコム」やQ&Aサービス「mond」を運営する会社です。20日15時30分に、27年1月期の営業利益予想を0.5億円から1億〜2億円へ、経常利益を0.38億円から0.85億〜1.85億円へ引き上げました。売上高31億円の予想は据え置きです。

上期(2〜7月)が好調だったことが理由です。同社は売上が特定の時期に集中する季節性があり、その時期が年々前倒しになっているため、下期は保守的にレンジで示したと説明しています。さらに、12〜1月の推移次第で利益にもう一段の修正余地があること、10月末までに中期経営計画と業績見直しを公表する予定であることも示しました。

市場の反応: 20日の東証終値は1,005円。PTSでは1,100円(終値比+9.5%)で取引されています。

ここに注目: 上期だけで経常利益3.21億円を稼いでおり、修正後の通期予想はまだ上期実績を下回ります。掲示板では「下期は赤字計算になる」「実質的には下方修正では」という見方も出ており、評価が分かれやすい材料です。10月末までに出る中期計画の中身が、21日以降の株価の方向を決めるカギになりそうです。

5. Welby(4438・東証グロース)

材料:TISとPHR事業で提携を拡大、子会社にTISが出資

生活習慣病の自己管理アプリ「Welbyマイカルテ」など、PHR(個人の健康・医療データを本人が管理する仕組み)を手がける会社です。20日、IT大手のTIS(3626)とPHR事業での業務提携を発表し、あわせて子会社のWelbyヘルスケアソリューションズがTISを割当先とする第三者割当増資を行うと開示しました。

両社は2月にもPHR事業で業務提携しており、医療データ連携基盤の共同展開を進めてきました。今回は資本面まで踏み込んだ形で、大手SIerとの関係が一段と強まったと受け止められています。

市場の反応: 20日の東証終値は290円。PTSでは320円(終値比+10.3%)で取引されています。

ここに注目: 時価総額は25億円前後と小さく、材料に反応しやすい銘柄です。一方で業績は26年12月期中間期も売上3.76億円(前年同期比30.7%増)に対し営業損失2.57億円と赤字が続き、自己資本比率は6.7%まで下がっています。今回の出資は財務面の支えにもなりますが、テーマ性で買われた後の失速には注意が必要です。

5銘柄のまとめ

銘柄(コード) 材料 20日終値 20日夜のPTS 気をつけたい点
ヴィアHD(7918) 上期経常2倍・通期61.5%上方修正 101円 約112円(+10%超) 無配、時価総額46億円の小型株
リネットJ(3556) 大手3社と資本業務提携 900円(S高) 1,050円(+16.7%) 第三者割当による希薄化
シライ電子(6658) 営業益2倍超に上方修正・8円増配・赤字事業撤退 522円(S高) 約599円(+14.8%) 修正後も前期比では減益
ハウテレ(7064) 今期利益予想をレンジで上方修正 1,005円 1,100円(+9.5%) 下期は赤字計算との見方も
Welby(4438) TISと提携拡大、子会社にTIS出資 290円 320円(+10.3%) 赤字継続、自己資本比率6.7%

PTSの値は20日17時30分時点の株探の集計によるもので、21日の寄り付き値とは一致しません。

そのほか20日に出た好材料

  • アイザワ証券グループ(8708):非開示だった上期経常が9.4倍の増益に
  • AIメカテック(6227):東京応化工業と次世代半導体パッケージ装置の合弁会社を設立
  • フェローテック(6890):中国InnoLightと戦略的協業契約を締結
  • ダイケン(5900):21日朝のToSTNeT-3で自社株買いを実施

注意点

好材料が出た銘柄でも、翌日に高く寄り付いた後、利益確定売りに押されて下げる「材料出尽くし」はよく起こります。特に今回のような小型株は値動きが大きく、半導体株中心の全体相場が一段安になれば個別材料株にも売りが波及しやすくなります。

本記事は10月20日夜までに公表された情報をもとに、各社の開示内容を整理したものです。特定銘柄の売買を勧めるものではなく、投資判断はご自身の責任で行ってください。

出典

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