2026年10月20日 値下がり率上位10銘柄
本日の相場概況
10月20日の東京市場は全面安で、値下がり率上位10銘柄のうち8銘柄が、10月上旬から急騰していたサイバーセキュリティ関連株でした。テーマ相場の巻き戻しが一気に進んだ一日です。
日経平均は841円安(-1.30%)の64,075円、TOPIXは-1.43%、東証グロース250指数は-2.74%と大幅続落しました。米長期金利の上昇、原油高の高止まり、AIへの過剰投資懸念が重荷となり、AI・半導体株から中小型の材料株まで売りが広がりました。業種別では銀行業(-4.33%)の下げが目立ちました。
| 順位 | 銘柄(コード・市場) | 終値 | 前日比 | 予想配当 | 配当利回り | 配当性向 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | クラスターテクノロジー(4240・東証S) | 720円 | -29.41% | 5円 | 0.69% | 61.0%(予) |
| 2 | セキュアヴェイル(3042・東証S) | 800円 | -27.27% | 3円 | 0.38% | 24.1%(予) |
| 3 | ショーケース(3909・東証S) | 625円 | -19.35% | 無配 | 0% | — |
| 4 | TWOSTONE&Sons(7352・東証G) | 479円 | -17.27% | 1円程度 | 約0.2% | 4.4%(25年8月期) |
| 5 | テリロジーHD(5133・東証S) | 500円 | -16.67% | 5.4円 | 1.08% | 21.5%(予) |
| 6 | GRCS(9250・東証G) | 1,049円 | -16.35% | 無配 | 0% | — |
| 7 | アズジェント(4288・東証S) | 611円 | -15.37% | 無配 | 0% | — |
| 8 | かっこ(4166・東証G) | 680円 | -15.00% | 無配 | 0% | — |
| 9 | レイヤード(634A・東証S) | 2,430円 | -13.21% | 無配 | 0% | — |
| 10 | コメ兵HD(2780・東証S) | 3,950円 | -13.19% | 108円 | 2.73% | 20.3%(予) |
配当利回りは本日終値と会社予想配当から算出。名証ネクスト上場のVLCセキュリティ(2467、-13.87%)は東証銘柄ではないため対象外としています。
1位 クラスターテクノロジー(4240) -29.41%
下げた理由:エプソンとの資本業務提携を材料に1週間で株価が3倍超になった反動で、ストップ安(720円)まで売られました。10月9日終値302円から、13日・14日の連続ストップ高を経て19日には1,020円に到達。株価が1,000円台に乗ったことで値幅制限が300円に広がり、下げ幅も大きくなりました。
アナリストの視点:エプソンが第三者割当(1株301円)で約15%を握る筆頭株主となる提携は、部品の長期供給と共同開発の両面で中長期の評価材料です。ただし今期は経常利益が前期比半減の予想で、配当性向から逆算したEPSは1株8円程度。720円でもPERは80倍台と、業績の裏付けを大きく先取りした水準です。
ディーラーの視点:発行済み約569万株の小型株に、本日は約370万株の出来高が集中しました。短期資金の回転が速く、明日以降は寄り付きの気配と信用買い残の整理が焦点。提携発表前の水準(300円台)から見ればまだ2倍超で、戻り売りが厚い局面です。
今後の展望:材料の質は悪くないものの、株価は業績の数年先を織り込み済み。値動きが落ち着くまでは様子見が無難で、エプソン向け案件が数字に表れるかを決算で確認したい銘柄です。
配当:今期予想5円(前期6円から減配予想)、利回り0.69%、予想配当性向61.0%(前期27.2%)。
2位 セキュアヴェイル(3042) -27.27%
下げた理由:サイバーセキュリティ関連の主役として連続ストップ高を演じた反動で、本日はストップ安(800円)に沈みました。前日19日は不正アクセス被害の続発を材料に1,100円まで上昇し、本日も朝方に年初来高値を更新。その後は直近急騰銘柄への利益確定売りが一気に広がりました。
アナリストの視点:24時間365日のセキュリティ運用監視とログ分析に特化し、企業の対策需要が追い風なのは事実です。一方で今期の経常利益予想は1.38億円、予想EPSは12円台。800円でもPERは60倍台で、夏場の280円前後(PER20倍台)と比べると期待先行が鮮明です。
ディーラーの視点:本日の出来高は約1,670万株と、時価総額20億円台だった銘柄としては異例の商い。高値掴みの信用買いが多く残るとみられ、戻り局面ではやれやれ売りが上値を抑えます。テーマ株の「一番手」は崩れるのも一番早い、という典型的な値動きです。
今後の展望:テーマの火種(企業への攻撃報道)は続くため、ニュース次第で再び買われる余地はあります。ただし業績の裏付けとの乖離は大きく、11月の中間決算で受注の伸びを確認するまでは値幅の大きい展開が続きそうです。
配当:今期予想3円(前期5円)、利回り0.38%、予想配当性向24.1%(前期36.4%)。
3位 ショーケース(3909) -19.35%
下げた理由:寄り付きでストップ高(925円)を付けた後に急反落し、ストップ安(625円)で引ける「天国から地獄」の一日でした。金融庁が金融機関に免許証での本人確認廃止の前倒しを要請したことを受け、オンライン本人確認(eKYC)関連として10月6日の198円から約2週間で4倍超に上昇。過熱感が限界に達しました。
アナリストの視点:本人確認サービス「ProTech ID Checker」の導入社数が累計500社を突破するなど、規制強化が追い風なのは確かです。ただ前期は赤字で今期も無配予想。直近の株価は予想PER50倍台・PBR4倍近くまで買われており、事業規模に対して時価総額の膨張が先行しました。
ディーラーの視点:一部の市況記事で「ほぼ仕手化」と評されたとおり、RSIは90超、25日線乖離率は150%超という極端な過熱でした。高値から3割超下げた一日の値幅は、短期筋の手仕舞いが連鎖した証拠です。信用買い残の整理には時間がかかります。
今後の展望:規制の流れは数年単位で続くテーマですが、株価は当面「需給の後始末」が中心。急騰前の200円台との差を埋める下押しも想定し、業績の伸びが確認できるまで無理に拾う局面ではありません。
配当:無配(配当利回り0%、配当性向—)。
4位 TWOSTONE&Sons(7352) -17.27%
下げた理由:2日連続ストップ高の後、直近急騰に対する利益確定売りが膨らみました。15日発表の27年8月期予想(営業利益15.3億円、前期比89%増)が好感され、19日には子会社がサイバーセキュリティクラウドと業務提携したことでセキュリティ関連としても物色。本日は朝方576円まで買われた後、479円の安値引けとなりました。
アナリストの視点:10銘柄の中では業績の裏付けが最もはっきりしている銘柄です。本日終値ベースの予想PERは27倍台で、営業利益がほぼ倍増する計画なら過熱一色とは言えません。10月7日の年初来安値273円からの上昇は、業績見直しの面が大きいと評価できます。
ディーラーの視点:安値引けは需給が悪い形で、明日の寄り付きも売りが先行しやすい状況です。夜間PTSでは前日に629円まで買われており、その水準で入った短期筋の損切りが続く可能性があります。セキュリティ・テーマの冷え込みに巻き込まれた面もあります。
今後の展望:テーマ売りが一巡すれば、業績期待で押し目を拾う動きが出やすい銘柄です。年初来高値903円は遠いものの、計画の進捗が四半期ごとに確認できれば下値は徐々に切り上がるとみます。
配当:予想配当は1株1円程度で利回りは約0.2%(日経の予想利回りベース)。配当性向は25年8月期で4.4%と、成長投資優先の方針です。
5位 テリロジーHD(5133) -16.67%
下げた理由:16日・19日と連続ストップ高(500円→600円)の後、セキュリティ関連株の一斉調整に巻き込まれ500円まで下落しました。前日は官公庁からの受注状況の発表が材料視されていましたが、本日は朝から売りが先行し、終日戻りは鈍いままでした。
アナリストの視点:海外の先端セキュリティ製品の輸入販売と運用支援が柱で、前期は営業利益が倍増、ROE11.4%と中計目標を前倒しで達成しました。今期も売上高122億円(+14.6%)、経常利益7.15億円(+9%)の増収増益計画。予想配当性向から逆算したEPSは25円前後で、500円ならPER20倍程度と、関連株の中では説明のつく水準です。
ディーラーの視点:10月6日の372円から600円まで約6割上昇した後だけに、2日分の上げを1日で吐き出した形です。第1四半期は経常赤字(季節要因が大きい)で、短期筋は四半期の数字より値動きを重視しています。テーマ資金の退潮が続く間は上値が重いでしょう。
今後の展望:累進配当の導入や官公庁案件の積み上げなど、中期で見た材料は揃っています。11月中旬の中間決算で受注残の伸びが確認できれば、テーマ株から業績株への評価替えが期待できる銘柄です。
配当:今期予想5.4円(前期5.2円、1株0.2円ずつ増やす累進配当)、利回り1.08%、予想配当性向21.5%。
6位 GRCS(9250) -16.35%
下げた理由:サイバーセキュリティ関連株への売りが広がる中で、グロース市場の値下がり率2位となりました。10月6日には売買代金が前日の100倍超に膨らむ急騰(+27.8%)でテーマ物色の先陣を切った銘柄で、本日はその反動が最も素直に出た形です。
アナリストの視点:セキュリティ診断・コンサルとGRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)プラットフォームを手がけ、16期連続増収と売上の伸びは続いています。ただ前期は5億円超の最終赤字で債務超過に転落。今期は経常1億円の黒字予想ですが、中間期は経常赤字(-0.6億円)で、下期の挽回が前提の計画です。
ディーラーの視点:本日の出来高は約9万株と、10銘柄の中では商いが薄いのが特徴です。板が薄い銘柄は売りが売りを呼びやすく、少ない出来高で値が飛びます。財務リスクを抱える銘柄は、テーマが冷えると真っ先に資金が抜けやすい点も意識されています。
今後の展望:最大の焦点は11月期末に債務超過を解消できるか。資本政策(増資など)が出る可能性も含め、財務面の不透明感が晴れるまでは慎重に見たい銘柄です。
配当:無配(26年11月期も無配予想)、配当利回り0%、配当性向—。
7位 アズジェント(4288) -15.37%
下げた理由:前場は一時ストップ高まで買われたものの、後場にかけてセキュリティ関連株の総崩れに飲み込まれ、611円で引けました。16日・19日と連続ストップ高(622円→722円)で、9月末の430円台から7割近く上昇していた反動です。高値からの下げは200円を超え、上ヒゲの長い「売り転換」の形になりました。
アナリストの視点:チェック・ポイント社のファイアウォールなど海外製セキュリティ製品の輸入販売が主力です。前期は黒字転換を果たしたものの、今期の経常利益予想は0.5億円(前期比63%減)、予想EPSは13円程度。611円ではPER40倍台後半となり、業績面からの割高感は否めません。
ディーラーの視点:前場で高値を取りにいった資金が後場に投げる、テーマ相場の終盤によく見られる値動きです。本日の出来高は約340万株と、平常時(数千株〜数万株)の100倍規模。この売買の大半が短期資金とみられ、逃げ遅れた買いが上値の重しになります。
今後の展望:時価総額20億円前後の小型株で、テーマ再燃時の値の軽さは魅力ですが、配当がなく業績も減益計画のため下値の支えが弱い銘柄です。急騰前の400円台半ばまでの調整余地を意識しておきたいところです。
配当:無配(5期連続)、配当利回り0%、配当性向—。
8位 かっこ(4166) -15.00%
下げた理由:16日にストップ高を付けるなど、不正検知サービスを手がけるセキュリティ関連として買われていましたが、本日はグロース市場全体の大幅安とテーマ株売りの流れに押されて680円まで下落しました。朝方から下げ幅を広げ、前場の段階で値下がり率上位に顔を出していました。
アナリストの視点:ECサイト向け不正注文検知「O-PLUX」が主力で、カード不正利用や不正アクセスの増加は確かに追い風です。ただ今期は経常1.9億円の赤字予想で、利益剰余金もマイナス。自己資本比率70%と財務の安全性は高いものの、黒字化の時期が見えるまでは株価の評価軸が定まりにくい銘柄です。
ディーラーの視点:発行済み約277万株と極めて小型で、10月6日には売買代金が前日の25倍に急増するなど、資金の出入りで値が大きく振れます。テーマが一巡した局面では買い手が細りやすく、戻りは限定的になりがちです。
今後の展望:年初来高値は897円(5月)で、その水準への再挑戦には業績改善の具体的な材料が必要です。年末商戦に向けた不正対策需要が次の決算で数字に表れるかが注目点です。
配当:無配、配当利回り0%、配当性向—(赤字予想のため)。
9位 レイヤード(634A) -13.21%
下げた理由:9月25日上場の新規公開株で、買われ過ぎの反動による調整が3日続いています。10月15日に上場来高値3,835円を付けた後、16日ストップ安(3,135円)、19日-10.69%(2,800円)、本日-13.21%(2,430円)と、わずか3営業日で高値から約37%下落しました。セキュリティ株ではなく、IPO株からの資金流出という別の流れです。
アナリストの視点:医科診療所向けに予約・WEB問診・電話自動応答などの医療DXサービスを提供し、月額課金のストック収益が積み上がるモデルです。27年6月期は売上高24.7億円(+24.9%)、1株利益107円の予想で、本日終値でPER23倍程度。成長力は評価できますが、PBRは8倍台と依然高く、上場直後の期待値がまだ剥がれきっていません。
ディーラーの視点:上場初日の安値2,095円が意識される水準に近づいてきました。IPO直後の銘柄は信用取引の対象になって間もなく、需給が読みにくいのが難点です。10月19日の売買代金は127億円超と時価総額(約80億円)を上回る回転売買で、短期筋の主戦場になっています。
今後の展望:最初の試金石は11月13日予定の第1四半期決算です。計画どおりの進捗が確認できれば、2,000円台前半は中長期の買い場候補になり得ます。それまでは上場来安値を割り込むかどうかが短期の分岐点です。
配当:無配(27年6月期も0円予想)、配当利回り0%、配当性向—。
10位 コメ兵HD(2780) -13.19%
下げた理由:本日発表の9月月次で成長鈍化が嫌気され、600円安の3,950円と急落しました。主力のブランド・ファッション事業の売上高は前年同月比17.7%増と、8月の32.6%増から大きく減速。同事業の月次開示を始めた25年4月以降で最も低い伸び率でした。会社側の説明でも、小売売上は計画をやや下回り、法人販売は利益が計画未達とされています。
アナリストの視点:10銘柄の中で唯一、テーマ株ではなく業績の「変化率」で売られた銘柄です。第1四半期は営業利益が前年同期の約4倍と好調で、通期予想(営業利益108億円、EPS532円)に対し本日終値のPERは7倍台。減速とはいえ二桁成長は維持しており、バリュエーション面では割安感が強まりました。
ディーラーの視点:前期から高成長が続いてきただけに、「伸び率のピークアウト」は短期資金の手仕舞いを誘いやすい材料です。本日の出来高は直近5日平均を大きく上回り、信用買い残の多さを指摘する声もあります。10月の月次が出るまでは戻りを試しにくい展開でしょう。
今後の展望:11月の中間決算で、上期計画(営業利益45億円)を上回れるかが株価回復の条件です。配当利回り2.7%台、PER7倍台という水準は、10銘柄の中で最も「逆張り」の検討に値する銘柄と言えます。
配当:今期予想108円(6期連続増配の見込み)、利回り2.73%、予想配当性向20.3%(前期21.2%)。
まとめ:逆張りで見るならどこか
本日の下落の大半は「業績悪化」ではなく「急騰の巻き戻し」で、セキュリティ・テーマの需給整理には数日から数週間かかるとみます。逆張りの候補は、業績と配当の裏付けがある銘柄に絞るのが基本です。
- 本命:コメ兵HD。PER7倍台・利回り2.7%台で、売られた理由が一時的な伸び率鈍化にとどまる。
- 次点:テリロジーHD(PER20倍程度・累進配当)、TWOSTONE&Sons(営業利益倍増計画)。テーマ売りが一巡した後の押し目候補。
- 様子見:クラスターテクノロジー、セキュアヴェイル、ショーケース、アズジェント。株価が業績を大きく先取りしており、需給の後始末が先。
- 慎重:GRCS(債務超過)、かっこ(赤字予想)、レイヤード(11月13日の初決算待ち)。
※本記事の「アナリストの視点」「ディーラーの視点」は、証券会社のアナリストやディーラーが重視する観点(業績・バリュエーション/需給・値動き)から当ブログが整理した分析であり、実在の人物の発言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
出典
- [値下がり率ランキング2026年10月20日](https://stock.f-frontier.com/2026/10/20/235342/)
- 2026年10月20日のマーケット情報(株式ちゃんねる)
- 東証グロース指数は大幅続落、セキュリティ関連株などに売り広がる(財経新聞/フィスコ)
- 前日に動いた銘柄 part2(Investing.com/フィスコ)
- コメ兵 大幅続落、9月の月次増収率鈍化をマイナス視(財経新聞/フィスコ)
- コメ兵HD 2027年3月期 第1四半期決算短信(BigGo)
- クラスターテクノロジー ニュース・適時開示(みんかぶ)
- クラスターテクノロジー 配当(マネックス証券 銘柄スカウター)
- セキュアヴェイル 配当(finboard)
- ショーケース 株価チャート・指標(かぶトレ)
- TWOSTONE&Sons ニュース(みんかぶ)
- TWOSTONE&Sons 株価(日本経済新聞)
- テリロジーHD Research Memo(マネーポストWEB/フィスコ)
- GRCS 2026年11月期 中間決算短信(JPX)
- アズジェント 配当(マネックス証券 銘柄スカウター)
- かっこ 銘柄情報(マネックス証券 銘柄スカウター)
- レイヤード 株価・株式情報(Yahoo!ファイナンス)
- レイヤード 基本情報(株探)
コメント