2026年10月1日 下落率上位10銘柄
本日の相場概況
10月1日の東京市場は、米マイクロン・テクノロジーの好決算を受けて半導体関連に買いが集中し、日経平均は前日比2,203円(3.30%)高の68,956円と急伸しました。一方でTOPIXは0.57%高にとどまり、プライム市場の値上がり750銘柄・値下がり747銘柄と、上昇は一部の主力株に偏った「指数だけ高い」一日でした。
こうした地合いのなかで下落率上位に並んだのは、ほぼすべてが個別の悪材料か急騰後の反動によるものです。地合いに引きずられた下げではない分、銘柄ごとに「売られた理由がまだ続くのか、一巡したのか」を見極めることが逆張りの出発点になります。
※対象は東証上場の個別株(ETF等を除く)。名証ネクストのエスポア(3260、-15.22%)は対象外としています。
下落率ランキング一覧
| 順位 | 銘柄(コード) | 市場 | 終値 | 前日比 | 下落率 | 予想配当利回り | 配当性向 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ウェッジHD(2388) | グロース | 17円 | -10円 | -37.04% | 0% | — |
| 2 | アクセルスペースHD(402A) | グロース | 341円 | -80円 | -19.00%(S安) | 0% | — |
| 3 | イメージ情報開発(3803) | グロース | 724円 | -150円 | -17.16%(S安) | 0% | — |
| 4 | メンバーズ(2130) | プライム | 770円 | -150円 | -16.30%(S安) | 4.55% | 約300%(修正後予想) |
| 5 | アドバンスクリエイト(8798) | プライム | 89円 | -16円 | -15.24% | 0% | — |
| 6 | ERIホールディングス(6083) | スタンダード | 1,446円 | -250円 | -14.74% | 3.04% | 30.3%(会社計画) |
| 7 | akippa(627A) | スタンダード | 1,745円 | -296円 | -14.50% | 0% | — |
| 8 | ニッコンHD(9072) | プライム | 4,459円 | -648円 | -12.69% | 2.51% | 約62%(会社計画) |
| 9 | ジィ・シィ企画(4073) | グロース | 693円 | -90円 | -11.49% | 0% | — |
| 10 | ニデック(6594) | プライム | 2,100円 | -255円 | -10.83% | 未定(前期無配) | — |
予想配当利回りは本日終値と会社予想の年間配当から算出。
1位 ウェッジホールディングス(2388)-37.04%
下落理由 東証が9月30日付で上場廃止を決定し、整理銘柄に指定しました。時価総額による上場維持基準を満たせなかったためで、上場廃止日は2027年4月1日です。直近の四半期では貸倒引当金の計上などで26億円規模の最終赤字を出しており、業績面の裏付けもありません。
アナリストの視点 上場廃止が確定した時点で、株式としての評価軸は「将来の利益」ではなく「廃止後の株式の扱い(スクイーズアウトの有無や価格)」に切り替わります。会社は取り扱いを後日発表するとしており、その内容が出るまで適正価格は算定不能です。投資対象としての分析は事実上終了と考えるべき局面です。
ディーラーの視点 整理銘柄入り直後は、機関投資家や信用買い勢の投げで値段が飛びやすく、一桁〜十円台の低位株では1円の動きが数%になります。整理期間中は短期筋のマネーゲームで乱高下することもありますが、出口が見えない以上、逆張りの対象にはしません。
今後の展望 2027年3月末まで整理銘柄として売買は可能ですが、上場廃止後の株式の扱いが判明するまで材料不在。基本は様子見。
配当:配当なし(赤字継続)。配当性向は算出不能。
2位 アクセルスペースホールディングス(402A)-19.00%
下落理由 9月29日、小型衛星「GRUS-3」7機のうち4機で通信系統の不具合が確認されたと発表。地球観測データ提供事業の中核資産であるため、9月30日のストップ安に続き、10月1日も2日連続のストップ安となりました。
アナリストの視点 論点は「不具合が復旧可能か」と「データ販売計画への影響額」の2点です。7機中4機という比率は、コンステレーション(衛星群)による観測頻度の前提を大きく崩します。復旧の見通し、保険の適用、代替機の打ち上げ計画と費用が開示されるまでは、業績予想の前提自体が宙に浮いた状態です。
ディーラーの視点 ストップ安が連続する局面では、売り注文が残ったまま翌日に持ち越されることが多く、比例配分で売り物が消化されて初めて底が見えます。売り気配が解けて大商いで寄り付く日が、短期の反発を狙う一つの目安になります。それまでは「落ちるナイフ」です。
今後の展望 会社からの続報(原因・復旧可否・業績影響)次第。復旧が見込める内容なら急反発の余地がある一方、恒久的な機能喪失なら業績予想の下方修正が次の悪材料になり得ます。
配当:配当なし(成長投資段階)。
3位 イメージ情報開発(3803)-17.16%
下落理由 9月25日にストップ高、30日も一時ストップ高と短期間で連騰していた反動で、利益確定売りが殺到しストップ安となりました。
アナリストの視点 本業は赤字が続いており(前期の経常損失は約1.9億円、今期第1四半期も赤字)、今回の上昇は業績の裏付けを伴わないテーマ・需給主導の動きでした。PBRは連騰前でも4倍前後と割高圏で、ファンダメンタルズから見た下値の目安は現在値よりかなり下にあります。
ディーラーの視点 時価総額20〜30億円規模の小型株で、信用倍率が100倍を超える水準まで買い残が積み上がっていたことが急落を増幅させました。信用買いの整理(投げ・追証売り)が一巡するまで、戻りは鈍くなりがちです。
今後の展望 需給整理が終わるまでは下値模索が続く可能性。新たな材料が出ない限り、連騰前の水準への回帰を想定しておくのが無難です。
配当:無配(今期予想0円)。
4位 メンバーズ(2130)-16.30%
下落理由 9月30日引け後に業績予想を大幅に下方修正。上期営業利益は3.2億円の黒字予想から4.3億円の赤字へ、通期営業利益は25億円から2億円(前期比87.5%減)へ引き下げました。顧客企業の投資削減に加え、事業構造転換に伴う稼働率の低下やサービス転換の遅れが主因です。
アナリストの視点 第1四半期で新卒247名の受け入れコストが先行し赤字が拡大していたため、下振れ自体は一部織り込まれていましたが、修正幅が想定を大きく超えました。問題は一過性か構造的かです。人材派遣型のデジタル支援からより付加価値の高いDX領域への転換期にあり、稼働率の回復が確認できるまでは来期の利益水準も読みにくい状況です。
ディーラーの視点 寄り付きからストップ安で張り付き、出来高は平常の約8倍。翌日以降に売り残しが出るかが焦点です。高配当株として保有していた個人投資家の失望売りが出やすい一方、利回り面からの押し目買いも入りやすい銘柄です。
今後の展望 配当予想(年35円)は据え置かれており、DOE(株主資本配当率)5%以上の方針も維持されている点は下支え要因。ただし稼働率改善の兆しが見えるまでは上値は重いと見ます。
配当:年35円(期末一括)、予想配当利回り4.55%。修正後の最終利益予想(約1.5億円)ベースでは配当性向は**約300%**となり、利益ではなく純資産(DOE)基準で配当を維持している形です。前期実績の配当性向は34.8%。
5位 アドバンスクリエイト(8798)-15.24%
下落理由 9月29日、不適切会計を理由に東証から特別注意銘柄に指定され、上場契約違約金も課されました。以降売りが止まらず、本日は上場来安値を更新する87円まで下落。5日前比では約36%の下落です。
アナリストの視点 保険代理店として業績悪化が続き、すでに債務超過の状態で自己資本比率は4%台。そこに会計の信頼性問題が重なりました。特別注意銘柄は内部管理体制の改善が認められなければ上場廃止となるため、「財務」「ガバナンス」「上場維持」の3つのリスクが同時に存在する状態です。
ディーラーの視点 時価総額は30億円台まで縮小し、100円割れの低位株になったことで値幅取りの短期資金も入りやすくなっています。ただし事業の売却や資本増強など抜本策が出ない限り、反発は戻り売りに押される展開が続きやすいでしょう。
今後の展望 資本政策(増資・スポンサー獲得など)と内部管理体制の改善計画が最大の焦点。いずれも既存株主の希薄化を伴う可能性が高く、慎重姿勢が妥当です。
配当:無配(予想配当利回り0%)。株主優待も休止中。
6位 ERIホールディングス(6083)-14.74%
下落理由 9月30日引け後に第1四半期(6〜8月)決算を発表。経常利益は前年同期比9.9%増の9.6億円と増益を確保したものの、前年同期が法改正特需で6倍超の大幅増益だったことと比べ伸びが大きく鈍化しました。通期計画に対する進捗率は18.1%で、インフラストック事業の損失拡大も明らかになりました。
アナリストの視点 建築基準法改正に伴う省エネ審査・構造審査の増加という追い風で前期は営業利益が倍増以上となりましたが、今回の決算は「特需の一巡」を意識させる内容でした。ただし通期予想は据え置きで、前期の第1四半期進捗(約17%)と比べても今期の18.1%は見劣りしません。今期予想EPS約146円に対してPERは10倍前後まで低下しており、業界最大手としての地位を考えると、成長鈍化を織り込みすぎている可能性もあります。
ディーラーの視点 前日の夜間PTSから売り気配で、寄り付きからまとまった売りが出ました。年初来でみれば高値圏からの調整で、利益確定の売りが一気に出た格好です。決算翌日の大陰線は数日続くことが多く、出来高が細ってからの押し目を待ちたいところです。
今後の展望 第2四半期(12月発表予定)で受注件数が維持されているかが次の確認点。特需一巡後の巡航速度が見えれば、低PER・高ROEの見直し余地があります。
配当:年44円(中間22円・期末22円)、予想配当利回り3.04%。会社計画ベースの配当性向は30.3%。前期は株式分割考慮後で実質増配を続けています。
7位 akippa(627A)-14.50%
下落理由 9月18日に新規上場(公開価格570円、初値1,244円)したばかりの駐車場シェアサービス企業。上場後にストップ高を交えて急騰し、9月29日に上場来高値2,496円をつけていました。本日は出来高1,000万株超を伴って急反落。特段の悪材料は確認されておらず、短期資金の利益確定が主因と見られます。
アナリストの視点 今期の純利益計画は約3億円で、本日終値の時価総額(約109億円)でもPERは30倍台後半。黒字化して2年程度の企業としては成長期待をかなり先取りした水準です。駐車場の掲載件数とユーザー数の伸びが続くかがバリュエーション維持の条件になります。
ディーラーの視点 上場直後の新興株によくある、短期資金が出入りする典型的な値動きです。高値から約3割下げても初値を大きく上回っており、短期の信用買いが残っている分、もう一段の調整余地があります。直近IPOは上場後1〜2か月で需給が落ち着くことが多く、ロックアップ解除条件の確認も欠かせません。
今後の展望 上場後初の決算発表が次の試金石。それまでは需給主導の値動きが続くと見ます。
配当:無配(成長投資優先)。
8位 ニッコンホールディングス(9072)-12.69%
下落理由 本日時点で会社からの開示や報道による直接の材料は確認できていません。ただし同社は5月に非公開化の検討が報じられて以降、TOB(株式公開買付け)への期待で株価が大きく上昇しており、9月初めには買い手候補のファンド2社が2次入札に参加を検討する一方で、市場価格を下回る「割引TOB」の可能性も報じられていました。本日は平常時の約7倍の出来高を伴う大幅安で、非公開化の行方をめぐる思惑で売られたと見られます。
アナリストの視点 本業は完成車輸送の国内最大手で、今期は純利益22%増(不動産売却益を含む)を計画、配当方針もDOE6%へ引き上げるなど株主還元に積極的です。ただし本日の株価は、業績よりも「TOB価格の期待値」で決まっている状態です。非公開化が見送られた場合、報道前の水準(5月中旬で約5,200円)を割り込んでいる現在値でも、PERは20倍台半ばと物流株としては割安とは言い切れません。
ディーラーの視点 TOB期待で積み上がった買いポジションは、材料が出ないまま時間が経つと解消売りが出やすくなります。本日の急落と大商いは、その解消が一気に進んだサインとも読めます。会社側からの正式なアナウンスが出るまでは、TOB価格を当てにした逆張りはギャンブル性が高いと考えます。
今後の展望 非公開化の成否と価格が全て。正式発表があればその価格にサヤ寄せし、見送りならTOBプレミアムの剥落でもう一段の調整もあり得ます。
配当:年112円(中間56円・期末56円、前期75円から37円増配)、予想配当利回り2.51%。会社計画EPS(約181円)ベースの配当性向は約62%(前期実績51.2%)。累進配当を掲げています。
9位 ジィ・シィ企画(4073)-11.49%
下落理由 流通業向け電子決済システムの開発会社。9月24日以降ストップ高を繰り返し、29日に年初来高値875円をつけていました。本日はその高値を超えられないことで達成感が意識され、利益確定売りに押されました。
アナリストの視点 今期の予想EPSは約27円で、本日終値でもPERは26倍前後。前期に黒字転換したばかりで、9月にはキャッシュレス決済の記録証明に関する共同実証も発表するなど材料はありますが、業績への寄与はまだ見えません。短期の急騰で、材料を先取りしすぎた面があります。
ディーラーの視点 時価総額20億円前後の小型株で、ストップ高を交えた連騰後の下げは一日で終わらないケースが多い銘柄です。上昇の起点(9月下旬の500円台)まで半値押しを入れる可能性も視野に入れておくべきでしょう。
今後の展望 実証実験の進捗や受注の開示が続けば再び物色される余地はありますが、それまでは高値からの調整局面と見ます。
配当:無配(今期予想0円)。
10位 ニデック(6594)-10.83%
下落理由 9月30日に提出した2026年3月期の有価証券報告書について、監査法人(PwCジャパン)が「意見不表明」としました。十分な監査証拠を得られなかったためで、大企業では極めて異例です。同期は電気自動車向け駆動装置事業などで6,321億円の減損を計上し、最終損益は5,646億円の過去最大の赤字となりました。株価は一時20%安まで売られました。
アナリストの視点 同社は不正会計の判明を受けて昨年10月に特別注意銘柄に指定されており、1年後の審査で内部管理体制が不十分と判断されれば上場廃止になります。その審査を前に監査意見が出なかったことは、上場維持に向けて極めて重いマイナス材料です。今期は最終1,000億円の黒字を計画していますが、品質不正(844件の不適切行為)の影響を含め、数字の信頼性そのものが問われている状態です。
ディーラーの視点 売買代金の大きい主力株で、本日も5,000万株超の大商い。プライム指数が大幅高のなかでの逆行安は、機関投資家がリスク管理上ポジションを落としていることを示しています。子会社の売却報道などの好材料に短期で反発する場面はあっても、上場維持の判断が出るまでは戻り売り優勢と見ます。
今後の展望 東証による特別注意銘柄の審査結果が最大の分岐点。上場維持が認められれば大きな見直し買いの余地がありますが、二択のイベントリスクであることを理解した上での判断が必要です。
配当:今期予想は未定(前期は無配)。予想配当利回りは0%。
本日のまとめ
今日の下落上位10銘柄は、大きく3つのタイプに分かれます。
- 上場維持・会計の信頼性リスク:ウェッジHD、アドバンスクリエイト、ニデック。下落の理由が解消されるかは自社の努力だけで決まらず、逆張りの難度は最も高いグループです。
- 業績・事業の悪材料:アクセルスペース、メンバーズ、ERIHD。悪材料の大きさを数字で測れるため、続報や次の決算で「織り込み済み」かどうかを判断しやすいグループです。中でもERIHDは低PER・増益基調が続いており、配当利回りも3%を超えています。
- 需給・思惑の反動:イメージ情報開発、akippa、ジィ・シィ企画、ニッコンHD。業績ではなく需給で動いているため、出来高が落ち着くまでは値動きが読みにくいグループです。
「タイミングの良い逆張り」を狙うなら、売られた理由が一過性で、かつ配当などの下支えがある銘柄から優先的に監視するのが基本です。
※本記事は公開情報をもとに、証券会社のアナリスト・ディーラーの一般的な分析視点に沿って筆者がまとめたもので、特定の人物の発言ではありません。株価・配当データは2026年10月1日終値時点のもので、配当性向は会社予想に基づく試算を含みます。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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