2026.10.2

2026年10月2日 値下がり率上位10銘柄

 

10月2日の東証は、前日までの急伸の反動で全面安となりました。日経平均は前場で630円安の6万8326円まで下げ、後場寄りには約85%の銘柄が値下がりしました。前日に買われたAI関連の一角に利益確定売りが集中し、中東情勢を受けた原油高も重荷でした。

こうした地合いのなか、下落率上位には「業績下方修正」「上場廃止」「材料一巡」の3パターンがはっきり表れています。以下、東証上場銘柄の下落率上位10銘柄を、証券会社のアナリスト視点(業績・バリュエーション)とディーラー視点(需給・値動き)の両面から整理します。

下落率ランキング(東証・10月2日終値)

順位 コード 銘柄 市場 下落率 終値 予想配当利回り 配当性向(予想)
1 2388 ウェッジHD グロース -23.5% 13円 会社予想なし —
2 8746 unbanked スタンダード -16.2% 114円 会社予想なし —
3 3803 イメージ情報開発 グロース -15.6% 611円 会社予想なし —
4 7256 河西工業 スタンダード -13.7% 468円 会社予想なし —
5 6736 サン電子 スタンダード -10.7% 9,070円 会社予想なし —
6 2130 メンバーズ プライム -10.3% 691円 約5.1%(35円) 約299%
7 2737 トーメンデバイス プライム -9.3% 37,100円 約4.4%(1,640円) 約37%
8 5242 アイズ グロース -9.2% 2,151円 会社予想なし —
9 3133 海帆 グロース -9.1% 40円 会社予想なし —
10 646A クラサスケミカル スタンダード -8.6% 216.7円 未確認(新規上場) —

※ランキングは株探の下落率ランキング(10月2日)から東証銘柄を抽出(名証ネクストのエスポアは除外)。配当利回りは10月2日終値と会社予想配当から算出。配当性向は会社予想EPSに対する予想配当の比率です。「会社予想なし」は無配または予想未定を意味します。

1位 ウェッジHD(2388)-23.5%

下げた理由: 東証が9月30日に上場廃止を決定し、整理銘柄に指定しました。時価総額基準の上場維持基準を満たせなかったことが原因で、上場廃止日は2027年4月1日です(株探)。前日の-37%に続く連続急落です。

アナリスト視点: 上場廃止後の株式の扱いは「後日発表」とされており、評価の前提が立ちません。カバレッジ対象外となる銘柄で、ファンダメンタルズ分析は事実上意味を失っています。

ディーラー視点: 整理銘柄は機関投資家が保有できず、売りが一方通行になりがちです。株価が1桁〜10円台では1円の値幅が数%になり、短期の値幅取りでも事故が起きやすい局面です。

今後の展望: 整理期間中は小反発を挟みながらの下値模索が基本線です。逆張りの対象には不向きです。

配当: 会社予想なし。配当性向は算出不可。

2位 unbanked(8746)-16.2%

下げた理由: 当日の個別材料は確認できませんでした。金地金販売と金連動型の暗号資産を手がける小型株で、9月上旬に急騰した後の値動きが荒く、全体安に巻き込まれた形です。9月には金地金取引をめぐる刑事告訴の受理や改善計画の開示延期など、ガバナンス面の開示が続いていました(株探)。

アナリスト視点: 時価総額は20億円台と小さく、業績予想も示されていません。PBRは1倍を下回る水準ですが、ガバナンス上の懸念が解消するまで割安とは評価しにくい銘柄です。

ディーラー視点: 信用買い残が140万株台と発行済み株式の1割近くに積み上がり、売り残はゼロです。テーマ(金・ステーブルコイン)で資金が出入りする典型的な仕手化銘柄で、戻り局面では信用の投げが上値を抑えます。

今後の展望: 金価格とテーマ物色次第の値動きが続く見通し。開示内容の確認が先決です。

配当: 会社予想なし。

3位 イメージ情報開発(3803)-15.6%

下げた理由: 9月25日にストップ高をつけた後、10月1日(-17%)、2日と連日の急落です。当日の新規材料はなく、短期資金の手じまい売りとみられます。7月のfonfunとの業務提携をきっかけに物色が続いていました(株探)。

アナリスト視点: 第1四半期(4〜6月)は経常赤字が縮小したものの、黒字化には至っていません。PBRは4倍台と、業績に比べて期待先行の水準です。

ディーラー視点: 発行済み株式は約338万株と極端に少なく、1日の出来高も数千〜数万株です。信用倍率は146倍と買いに大きく偏っており、少量の売りで値が飛ぶ板の薄さが下げを増幅させています。

今後の展望: ストップ高前の水準(600円台前半)が当面の下値の目安。信用買いの整理が進むまでは戻りは鈍いでしょう。

配当: 会社予想なし。

4位 河西工業(7256)-13.7%

下げた理由: 日産向けが売上の過半を占める自動車内装部品メーカーです。当日は日産自動車も-5.0%と下げ、輸送用機器セクター全体が売られました。9月下旬に急伸していた反動も重なりました。

アナリスト視点: 第1四半期は営業利益が前年比20倍、経常は黒字浮上と、再建の進捗は数字に表れています(株探)。一方で過去の決算短信を多数訂正しており、開示の信頼性は割り引いて見る必要があります。

ディーラー視点: 信用買い残は約290万株、信用倍率は50倍台と買い長です。日産株に連動して動くため、日産の材料が出るたびに振らされる銘柄です。

今後の展望: 業績回復は本物でも、日産の生産動向という外部要因が最大のリスク。10月下旬以降の中間決算で通期計画の確度を確認したい局面です。

配当: 会社予想なし(無配継続)。

5位 サン電子(6736)-10.7%

下げた理由: 当日の個別材料は確認できませんでした。株価9,000円台の値がさ株で、全体安のなかで利益確定売りが出たとみられます。

アナリスト視点: 第1四半期の経常利益は前年比79%減と大きく落ち込みました。PER20倍台後半、PBR4倍台は、足元の業績に対して割高感が残ります。

ディーラー視点: 信用倍率は0.4倍前後と売り長で、空売りの買い戻しが株価を支えてきた面があります。買い戻しが一巡すると支えが薄れ、下げが速くなりやすい需給です。

今後の展望: 次の決算で業績の底打ちを示せるかが焦点。それまでは値幅の大きい調整が続く可能性があります。

配当: 会社予想なし。

6位 メンバーズ(2130)-10.3%

下げた理由: 9月30日に2027年3月期の業績予想を大幅に下方修正しました。営業利益は25億円から2億円(前期比87.5%減)へ、中間期は営業赤字4.3億円で着地する見込みです。中東情勢による顧客の投資削減と、AIの普及で専門人材ニーズが想定以上に減ったことが響きました(株探)。10月1日のストップ安に続く連続安です。

アナリスト視点: 増益計画から一転して大幅減益となり、「AIで代替されるウェブ運用」という構造問題が数字で表面化しました。会社は下期にAX(AIトランスフォーメーション)領域への転換を急ぐ方針ですが、成果が見えるまでは目標株価の引き下げが相次ぐ展開が想定されます。

ディーラー視点: プライム銘柄でストップ安翌日も続落と、機関投資家の売りがまだ出切っていない形です。一方で予想配当利回りは5%を超えており、配当狙いの押し目買いがどこで入るかが下値の目安になります。

今後の展望: 会社は通期予想を「保守的に算出」としており、上振れ余地はあります。ただ、AXでの受注実績が確認できるまでは戻りは限定的でしょう。

配当: 年35円(期末一括)を据え置き。予想配当利回りは約5.1%。修正後の予想EPS11.70円に対して配当性向は約299%と、利益を大きく上回る配当です。会社はDOE5%以上と配当性向25%以上を還元方針に掲げ、15期連続増配を予定していました(BigGo、Yahoo!ファイナンス)。DOE基準で配当は維持できる計算ですが、減益が長引けば増配継続の前提は揺らぎます。

7位 トーメンデバイス(2737)-9.3%

下げた理由: 前日に急伸したAI関連銘柄の一角に利益確定売りが集中し、メモリ価格上昇の恩恵銘柄である同社も大きく売られました。サムスン電子向けのDRAM・NAND販売が主力の半導体商社です。9月には上場来高値を更新しており、高値圏での調整です。

アナリスト視点: 業績は極めて好調です。第1四半期の経常利益は前年同期比12倍の197億円で、通期経常予想は145億円から408億円へ2.8倍に上方修正されました(株探)。予想PERは8倍台にとどまり、業績面から見た割高感は乏しい水準です。リスクはメモリ市況のピークアウトと、サムスン1社への依存度の高さです。

ディーラー視点: 1単元370万円超の値がさ株で、信用倍率は40倍前後と買い長です。メモリ関連(キオクシアなど)と同じ方向に動くため、米マイクロンや韓国株の動きが翌日の寄り付きを左右します。

今後の展望: 10月下旬の中間決算で、メモリ価格の上昇がどこまで続くかの会社見通しが焦点です。

配当: 年1,640円(期末一括)。予想配当利回りは約4.4%、配当性向は予想EPS4,411円に対して約37%です。会社は中期経営計画で1株300円を下限とし、2029年3月期に配当性向40%を目指す方針です(ダイヤモンド・ザイ)。業績連動型のため、メモリ市況が反転すれば配当も減る点に注意が必要です。

8位 アイズ(5242)-9.2%

下げた理由: 当日の個別材料は確認できませんでした。9月にファクタリングサービス「レゾナス」の8月買取額が2.5億円を突破したと発表して急騰しており、生成AI関連のテーマ株として全体安の中で利益確定売りに押されました(株探)。

アナリスト視点: 広告業界向けプラットフォームが本業で、ファクタリングは新規事業です。買取額の急拡大は売上には効く一方、貸し倒れリスクを抱える金融事業でもあり、与信管理の開示が評価の分かれ目になります。

ディーラー視点: 9月の急騰で短期資金が集まった銘柄で、月次の買取額発表がそのまま株価材料になっています。次の月次発表までは材料待ちで、値幅を取りに来た資金が抜けやすい時間帯です。

今後の展望: 10月上旬に出るとみられる9月の買取額が、成長継続を示せるかが次の焦点です。

配当: 会社予想なし(成長投資を優先)。

9位 海帆(3133)-9.1%

下げた理由: 9月30日に、連結子会社の借入金返済状況、臨時株主総会の基準日変更、飲食店舗の事業譲渡のクロージング日変更を相次いで開示しました(株探)。9月18日の臨時株主総会は不成立となっており、資金繰りと経営体制への不安が売りを誘っています。

アナリスト視点: 第1四半期は最終赤字が拡大し、監査法人のレビューは「結論不表明」でした。財務の継続性に重大な疑義がある状態で、通常の企業価値評価の対象にはなりません。

ディーラー視点: 株価40円台の低位株で、1円の動きが2〜3%になります。開示が出るたびに乱高下する銘柄で、短期売買でもリスクに見合わない局面です。

今後の展望: 借入金の返済と臨時株主総会の行方次第。上場維持そのものがリスクになり得ます。

配当: 会社予想なし(無配)。

10位 クラサスケミカル(646A)-8.6%

下げた理由: 9月29日に東証スタンダード市場へ新規上場したばかりの銘柄です。初値218円をつけた後、10月1日(-9.5%)、2日と続落しました。親会社の異動を伴う上場で、旧株主からの売り(需給の整理)が続いているとみられます(株探)。

アナリスト視点: 上場直後で、アナリストのカバレッジや会社の業績予想に関する情報がまだ十分に出ていません。評価は上場時に公表された決算情報の確認からになります。

ディーラー視点: 10月1日は2,400万株超の大商いを伴って下げており、売り物の多さがうかがえます。分離・上場型の銘柄では、もとの株主の売りが一巡するまで上値が重くなる傾向があります。

今後の展望: 売りの一巡と初の決算発表が反転のきっかけになるかが焦点です。

配当: 本記事執筆時点で会社予想を確認できませんでした。上場時の開示資料での確認が必要です。

総括:逆張り候補はあるか

10銘柄のうち、配当を出しているのはメンバーズとトーメンデバイスの2社だけです。下げの性質は大きく3つに分かれます。

下げの性質 該当銘柄 逆張りの考え方
業績・テーマの調整 トーメンデバイス、アイズ、河西工業 業績の裏付けがある銘柄は押し目候補。決算での確認が前提
業績悪化・構造問題 メンバーズ、サン電子 高配当でも配当性向と減益の長さを要確認。底打ちのサイン待ち
上場廃止・財務不安・需給 ウェッジHD、海帆、unbanked、イメージ情報開発、クラサスケミカル 逆張りの対象外、または需給の整理待ち

逆張りの観点では、業績が伸びている中での調整(トーメンデバイス)と、高利回りが下値を支える可能性のある銘柄(メンバーズ)が、今後の値動きを追う価値のある2銘柄です。どちらも10月下旬〜11月の中間決算が次の判断材料になります。

免責事項

本記事は公開情報をもとにした情報提供であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。「アナリスト視点」「ディーラー視点」は分析の切り口を示すもので、特定の人物の発言ではありません。株価・配当・業績予想は10月2日時点の公開情報に基づき、今後変わる可能性があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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