2026.10.28am10/28の注目株5選

10/28の注目株5選:前日引け後の好材料を読む

10月27日(火)の大引け後は、上方修正と最高益更新の発表が相次ぎました。本記事では、その中から「修正幅が大きい」「需要の裏付けがはっきりしている」5銘柄を選び、10月28日(水)の取引で注目される理由を整理します。

前日の地合いと選定基準

27日の日経平均は1078円高の6万3268円と、4日ぶりに大きく反発しました。米アンソロピックがIPOに向けた目論見書を公開したことで、AIインフラ関連株に買い戻しが広がった形です。28日早朝時点でも、シカゴ日経平均先物は6万4000円台前半で推移しており、地合いは悪くありません。

選定の基準は次の3点です。

  • 10月27日の大引け後に発表された決算・業績修正であること
  • 通期予想の上方修正、または最高益予想の上乗せを伴うこと
  • 修正の理由(どの事業・どの需要が伸びたか)が具体的に説明されていること

ご注意:本記事は公開情報をもとにした材料の整理であり、株価の上昇を保証するものではありません。好決算でも「材料出尽くし」で売られることは珍しくなく、寄り付きの気配やPTS(夜間取引)の値動きは本記事では確認できていません。投資の最終判断はご自身でお願いします。

1. MARUWA(5344・東証プライム):通期営業益を383億円へ、前期比53%増

5銘柄の中で最も材料の質が高いと考えます。上期の実績が会社予想を大きく上回り、そのうえで通期も2度目の上方修正となりました。

発表内容(27年3月期)

  • 上期(4〜9月)の営業利益は176億円(前年同期比62.4%増)。会社予想の148億円を約19%上回って着地
  • 通期の営業利益予想を337億円→383億円(13.6%上方修正、前期比53.3%増)
  • 通期の売上高予想を933億円→1015億円(前期比36.3%増)。未定だった純利益は260億円(同43.1%増)と開示

注目ポイント

伸びをけん引しているのは、次世代高速通信向けのセラミック部品と、半導体製造装置向けの部材です。7月の1Q決算時には「上方修正後の計画に対して進捗が遅い」との指摘もありましたが、上期の上振れでその懸念はほぼ解消されました。会社試算では下期の営業利益も前年同期比46%増が見込まれ、AI・データセンター需要の恩恵を受ける銘柄として再評価される可能性があります。

注意点

株価は1株数万円台の値がさ株で、売買単位あたりの金額が大きくなります。また生成AI関連の需給で振れやすく、地合い次第で上下に大きく動く点は意識しておきたいところです。

2. 日本車輌製造(7102・東証プライム):経常益44%上方修正で一転増益・最高益へ

修正幅の大きさと、新しい中期経営計画が同時に出た点が魅力です。減益予想から一転して最高益予想へと、見え方が大きく変わりました。

発表内容(27年3月期)

  • 上期(4〜9月)の経常利益は57.6億円(前年同期比35.3%増)
  • 通期の経常利益予想を93億円→134億円(44.1%上方修正)。前期比11.8%増と一転増益になり、2期連続の最高益更新へ
  • 通期の売上高予想は1130億円(前期比13%増、従来予想から60億円引き上げ)
  • 中期経営計画を新たに策定し、31年3月期に売上高1300億円・営業利益150億円を目標に設定

注目ポイント

日経新聞によると、期初は中東情勢を受けて塗装向けシンナーなどの調達難や価格高騰を見込んでいましたが、影響が想定より軽く済んだことが上方修正の主因です。つまり「保守的だった期初計画が実態に近づいた」修正であり、数字の信頼性は高いと見られます。中計では今後10年間、年平均80億円強を成長投資に充てる方針で、従来の倍のペースです。時価総額は約550億円と小ぶりで、好材料に株価が素直に反応しやすい規模です。

注意点

株探の試算では、下期(10〜3月)の経常利益は前年同期比1.2%減とほぼ横ばいです。前期の子会社解散に伴う税効果の反動で、最終利益は前期比18%減の見通しである点も押さえておきましょう。

3. 網屋(4258・東証グロース):サイバー防衛需要で経常益22%上方修正

ランサムウェア被害の増加という分かりやすいテーマを背景に、増収率・増益率ともに大きく引き上げられました。グロース市場の中小型株として、短期資金が向かいやすい材料です。

発表内容(26年12月期)

  • 通期の経常利益予想を11.8億円→14.4億円(21.5%上方修正)。増益率は13.4%増→37.8%増に拡大し、最高益予想をさらに上乗せ
  • 通期の売上高予想を70億円→78.5億円(前期比32.3%増)、営業利益予想を12億円→14.7億円(同39.9%増)
  • 会社試算ベースの下期経常利益は従来予想比46%増額となり、一転して前年同期比42%増益の計算

注目ポイント

サイバー攻撃の増加で、セキュリティ製品と被害企業の復旧支援の需要がともに伸びています。データセキュリティ事業とネットワークセキュリティ事業の両輪が順調で、8月の中間決算時点でも営業利益は前年同期比31%増でした。27日は新興株が強く、グロース250指数が2.7%高と地合いも追い風です。

注意点

売上の上乗せ分には、子会社化したアンペールの連結開始(10〜12月期から、売上約4.3億円を見込む)が含まれます。既存事業の伸びとM&A効果を分けて見ておくと、過大評価を避けられます。グロース株は値動きが荒く、寄り付きで買いが集中した後の反落にも注意が必要です。

4. オービック(4684・東証プライム):最高益上乗せと6円増配の「安定成長枠」

修正幅は5銘柄で最も小さいものの、上方修正と増配がセットで出た大型の優良株です。急騰狙いというより、機関投資家の買いが入りやすい安定成長枠として選びました。

発表内容(27年3月期)

  • 上期(4〜9月)の経常利益は628億円(前年同期比20.3%増)
  • 通期の経常利益予想を1145億円→1200億円(4.8%上方修正)、純利益予想を820億円→850億円に引き上げ。最高益予想をさらに上乗せ
  • 年間配当予想を94円→100円に増額(前期は84円)

注目ポイント

4月の期初時点で15年連続の最高益見通しを示しており、今回はそこからの上積みです。業務ソフト「OBIC7」の導入拡大と、運用支援・保守サービスの積み上がりが利益を押し上げる構図が続いています。同日にはグループ会社のオービックビジネスコンサルタント(4733)も経常利益を5%上方修正しており、グループ全体の好調さが確認できます。

注意点

もともと好業績が株価に織り込まれやすい銘柄で、修正幅も約5%にとどまります。大幅高よりは、じりじりとした上昇を期待する銘柄と考えたほうがよいでしょう。

5. ムサシ(7521・東証スタンダード):上期最終益13倍の「サプライズ枠」

修正倍率のインパクトが大きく、株探のサプライズ決算でも「大幅上方修正」の筆頭に挙がった銘柄です。ただし中身には注意点も多く、5銘柄の中では最もリスクの高いサプライズ枠として位置づけます。

発表内容(27年3月期)

  • 上期(4〜9月)の最終利益予想を0.2億円→2.9億円(13倍に上方修正)
  • 通期の最終利益予想も3.9億円→5.8億円(50.6%上方修正)
  • 売上高は前回予想を下回る見込みだが、利益率の高い商品の伸びで利益が上振れ

注目ポイント

会社によると、工業用検査機材、業務用ろ過フィルター、LTOテープ(データ保存用の磁気テープ)の販売が順調でした。選挙機器のイメージが強い同社ですが、選挙のない年でも利益を出せる事業が育ってきている点は評価できます。期初予想が極めて低かったため、修正のインパクトが数字上大きく見えます。

注意点

上方修正後でも、上期最終利益は前年同期比77%減、通期は前期比79%減の見通しです。前期は国政選挙向けの特需があったため、その反動減が続いている状態です。文書デジタル化事業や印刷機材、貨幣処理機は低調で、売上は従来予想を下回る見込みです。値動きは軽い一方、買いが一巡すると戻りも早い点に注意してください。

5銘柄の比較とまとめ

材料の質で選ぶならMARUWAと日本車輌製造、値動きの軽さで選ぶなら網屋とムサシ、安定感ならオービックという色分けになります。

銘柄(コード) 市場 修正の中身 前期比 位置づけ
MARUWA(5344) プライム 通期営業益 +13.6%(383億円) +53.3% 本命:AI・通信需要
日本車輌製造(7102) プライム 通期経常益 +44.1%(134億円) +11.8%(最高益) 本命:一転増益+中計
網屋(4258) グロース 通期経常益 +21.5%(14.4億円) +37.8%(最高益) テーマ株:サイバー防衛
オービック(4684) プライム 通期経常益 +4.8%、6円増配 最高益上乗せ 安定成長枠
ムサシ(7521) スタンダード 上期最終益 13倍、通期 +50.6% 最終益は79%減 サプライズ枠(高リスク)

28日の取引で意識したい点

  • 寄り付き前の気配値を確認し、大きく買い気配から始まる場合は高値づかみに注意する
  • 決算発表が集中する時期のため、同業他社の決算(28日はアドバンテストなど)が地合いを左右しうる
  • 好決算でも「材料出尽くし」で売られる例は多い。修正の理由が一時的か継続的かを見極める

今回の5銘柄は、いずれも「なぜ利益が伸びたのか」が具体的に説明されている点で共通しています。短期の値動きだけでなく、その需要が来期以降も続くかという視点で見ていくと、銘柄選びの精度が上がるはずです。

出典

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