2026.10.21

2026年10月21日 値下がり率上位10銘柄

本日の相場概況

10月21日の東京市場は全面高の中で、個別の悪材料と「前日急騰の反動」が下落率上位を占めました。日経平均は前日比545.82円高の64,621.24円と3日ぶりに反発し、東証プライムは値上がり銘柄が約63%に達しています。

業種別では非鉄金属・銀行・保険が上昇した一方、小売業が下落率トップでした。グロース市場指数も前日までの4%超の続落から大幅に3日ぶりの反発となり、新興株に資金が戻った一日です。

それでも下げた10銘柄は、(1)会社発表の悪材料、(2)前日のストップ高・急騰の利益確定、(3)大株主の持ち株減少、のいずれかで説明できます。地合いではなく個別要因で売られた銘柄ばかりで、逆張り判断では「材料の質」の見極めが最重要です。

集計条件:東証プライム・スタンダード・グロース上場の個別株(ETF・REIT除く)、10月21日終値ベースの前日比下落率。公開されている市場データと各社報道から集計しています。

値下がり率ランキング上位10銘柄

首位はウェルディッシュの-26.89%で、10銘柄中7銘柄がグロース市場、配当を出しているのは2銘柄だけでした。

 

順位

銘柄(コード)

市場

終値(円)

前日比

下落の主因

予想配当(年)

配当性向

1

ウェルディッシュ(2901)

スタンダード

87

-32円 / -26.89%

無配転落・優待廃止

0円(4円予定→無配)

0%

2

海帆(3133)

グロース

32

-11円 / -25.58%

前日+53%急騰の反動

0円

―(赤字)

3

BCC(7376)

グロース

737

-150円 / -16.91%(S安)

赤字拡大基調・需給悪化

0円

―(赤字)

4

VIS(130A)

グロース

351

-67円 / -16.03%

前日S高の反動

0円

―(赤字)

5

ビープラッツ(4381)

グロース

254

-33円 / -11.50%

75日線で頭打ち・債務超過

0円

―(赤字)

6

日本ナレッジ(5252)

グロース

1,066

-131円 / -10.94%

光通信の保有比率低下

7円(利回り約0.66%)

予想約28%

7

モダリス(4883)

グロース

29

-3円 / -9.38%

前日急伸の反動・低位株

0円

―(赤字)

8

オンデック(7360)

グロース

1,088

-102円 / -8.57%

前日+38%急騰後の手仕舞い

0円(優待あり)

0%

9

令和AH(296A)

グロース

1,086

-92円 / -7.81%

上期増益率の鈍化

約36.5円見込み(利回り約3.4%)

前期86%

10

TWOSTONE&Sons(7352)

グロース

445

-34円 / -7.10%

S高後の2日続落

1円(利回り約0.2%)

予想約6%

圏外の参考:11位マルシェ(7524)-6.32%、プライム最大の下落はチェンジHD(3962)-6.19%。配当利回りは10月21日終値で計算しています。

 

1位 ウェルディッシュ(2901) -26.89%

下げた理由:元代表取締役の不適切な取引問題の影響を見極めるため、年4円の予定だった配当を無配に変更し、株主優待も廃止すると発表しました。株価は2020年以来の100円割れです。同社は9月29日付で特別注意銘柄にも指定されています。

今後の展望:業績への影響額がまだ示されておらず、内部管理体制の改善が確認されるまで上値は重いでしょう。特別注意銘柄の指定が長引けば上場廃止リスクも意識されます。

配当:年0円(従来予想4円から無配)、配当性向0%。

アナリストの視点:PER・PBRの数字上の割安さは、利益の信頼性が揺らいでいる以上ほぼ意味を持ちません。調査結果と再発防止策の開示が出るまではカバレッジ上「評価保留」が妥当です。

ディーラーの視点:配当・優待狙いの個人株主が一斉に売る典型的な「優待廃止ショック」です。信用倍率が極端に高い状態でもあり、追証絡みの投げが一巡するまで逆張りは見送り。100円台回復が最初の目安です。

2位 海帆(3133) -25.58%

下げた理由:新たな悪材料ではなく、前日に+53.57%と急騰した反動です。朝方は57円まで買われたものの、引けにかけて31円まで売られ、前日の上昇分をほぼ吐き出しました。

今後の展望:6月に監査法人から意見不表明の監査報告書を受けるなど、財務面の不安は解消していません。上場来安値(27円)圏で、材料なき急騰と急落を繰り返す展開が続きそうです。

配当:無配、配当性向は赤字のため算出不能。

アナリストの視点:投資判断の対象というより、継続企業としての前提を確認すべき段階です。決算書の信頼性が回復するまでファンダメンタルズ評価はできません。

ディーラーの視点:出来高1,660万株・売買代金7億円超は完全なマネーゲームの証拠です。1単元3,200円で参加できる低位株ゆえ値幅狙いが集まりますが、高値掴みした信用買いの戻り売りが上値を抑えます。

3位 BCC(7376) -16.91%(ストップ安)

下げた理由:当日、個別の新規開示は確認できませんでした。前日に-11.5%と大きく下げた流れが続き、売りが売りを呼ぶ形でストップ安まで下げています。業績面では今期経常赤字が1.85億円へ拡大する見通しで、買い手が付きにくい状態です。

今後の展望:11月13日予定の本決算で来期黒字化の道筋を示せるかが最大の焦点です。M&Aで売上は伸びていますが、全社費用の負担で赤字が広がっています。

配当:無配(上場以来無配)、配当性向は赤字のため算出不能。

アナリストの視点:IT営業アウトソーシングとヘルスケアの2本柱は需要自体は底堅い領域です。ただ連結化に伴うコスト先行が続き、利益貢献が見えるまでは評価しにくい局面です。

ディーラーの視点:信用売残がほぼゼロで貸借倍率は1,500倍超と、買い残だけが積み上がった片寄った需給です。ストップ安で売り残しがあれば翌日も下押しがあり得ます。決算前の値幅取りは慎重に。

4位 VIS(Veritas In Silico・130A) -16.03%

下げた理由:前日、東レとの共同創薬研究で「ヒット化合物取得」を達成しストップ高した反動です。マイルストーン収入は発生せず業績予想も据え置きのため、短期資金が利益確定を急ぎました。

今後の展望:独自のAI創薬基盤「aibVIS」によるmRNA標的の低分子医薬は話題性があり、次の研究マイルストーン達成が株価の起爆剤になります。ただ収益化はまだ先です。

配当:無配、配当性向は赤字のため算出不能。

アナリストの視点:PCSK9は臨床的に実績のある標的で、提携先が東レという点は信頼性の裏付けになります。評価は「パイプラインの進捗」で決まる銘柄で、四半期業績よりも提携の数と質を見るべきです。

ディーラーの視点:ストップ高の翌日に上げ幅をほぼ全部消す動きは、材料で入った短期筋の回転売買そのものです。前日上昇前の水準(338円)付近で下げ止まるかが、押し目買いの判断ラインです。

5位 ビープラッツ(4381) -11.50%

下げた理由:75日移動平均線が上値を抑える形となり、戻り売りに押されました。直前にトヨタのSDV方針報道を受けたストップ高があり、思惑買いの反動も重なっています。

今後の展望:2026年3月期末に債務超過に陥っており、行使価額修正条項付き新株予約権による資金調達で解消を図っています。希薄化を伴う増資が続く点は株価の重荷です。

配当:無配、配当性向は算出不能。

アナリストの視点:KINTOへの採用実績があるサブスク基盤は、自動車のSDV化が進めば需要が伸びる分野です。ただ債務超過の解消と継続企業の前提に関する注記が外れるまでは投資適格とは言えません。

ディーラーの視点:テーマ材料で上がっては新株予約権の行使売りで押し戻されるパターンが続いています。行使状況の開示を必ず確認し、行使が一巡するまでは戻り売り優勢と見ます。

6位 日本ナレッジ(5252) -10.94%

下げた理由:前日引け後、光通信グループの保有比率が12.99%から11.93%に低下したことが変更報告書で判明し、売りが出ました。下落率が10%に達し、日中に空売り規制の対象にもなっています。

今後の展望:株価は10月14日に年初来高値1,273円を付けたばかりで、大株主の売りが続くかが焦点です。11月13日予定の中間決算で、予想PER40倍台に見合う増益を示せるかが問われます。

配当:今期予想7円(前期10円)、利回り約0.66%。配当性向は前期47.9%、今期予想約28%。

アナリストの視点:ソフトウェア検証・テストは人手不足とDX需要で追い風の業種です。ただ前期の営業利益は6,500万円と薄く、高いPERは期待先行。利益率改善の確認が必要です。

ディーラーの視点:光通信は保有株を段階的に売る傾向があり、変更報告書が続けば上値は重くなります。年初来高値から約16%の調整で、1,000円の節目を守れるかを見ています。

7位 モダリス(4883) -9.38%

下げた理由:前日に一時+17%まで急伸した反動です。株価は10月15日に10年来安値28円を付けたばかりの低位株で、わずか3円の値下がりでも下落率が大きくなります。

今後の展望:DNAを切断しないエピゲノム編集という独自技術を持ちますが、新株予約権による資金調達が続き、発行済株式数は増え続けています。導出契約など大型提携が出るまでは低迷が続きやすいでしょう。

配当:無配、配当性向は赤字のため算出不能。

アナリストの視点:FSHDなど希少疾患向けパイプラインの前臨床データは出ていますが、臨床入りの時期が評価の鍵です。手元資金で研究を何年続けられるかを最優先で確認したい銘柄です。

ディーラーの視点:信用買い残が1,000万株超積み上がり、上がれば戻り売りが出る構造です。1円刻みの値動きで率が大きく出るため、値幅取りは板の厚さ次第と割り切るべきです。

8位 オンデック(7360) -8.57%

下げた理由:前日に+38.21%と急騰した後、長い陰線となり手仕舞い売りがかさみました。前日の出来高は普段の100倍を超えており、短期筋の利益確定が出やすい状況でした。

今後の展望:10月15日発表の第3四半期累計は売上高が前年比約2倍、前年の赤字から黒字転換しています。M&A仲介の事業承継ニーズは構造的に拡大しており、業績の追い風は続きそうです。

配当:無配(株主優待あり)、配当性向0%。

アナリストの視点:黒字転換と予想EPS約50円を踏まえると、急騰後でもPERは20倍台前半です。案件ごとの成約タイミングで業績がぶれやすい業態なので、通期着地の確度を見たいところです。

ディーラーの視点:前日の高値1,425円から大きく押し戻されており、テクニカル指標は過熱の売りシグナルが多数点灯しています。急騰前の水準(860円台)と前日終値の中間、1,000円前後が押し目の目安です。

9位 令和アカウンティング・ホールディングス(296A) -7.81%

下げた理由:21日昼に発表した上期決算で、経常利益は前年同期比29.6%増の10.6億円と好調でした。ただ第1四半期の51%増益から伸び率が鈍化し、「材料出尽くし」の売りが出ました。

今後の展望:通期計画(経常21.6億円)は据え置きで、上期の進捗率は49.4%と順調です。保守的な計画の上方修正が年度後半の焦点になります。

配当:中間配当を9月に3.5円増額しており、期末予想20円と合わせて年約36.5円の見込み、利回り約3.4%。配当性向は前期86%で、単体配当性向80%程度を基本とする高還元方針です。

アナリストの視点:ROEが50%前後、営業利益率35%前後と収益性は際立っています。高配当性向と成長を両立する数少ないグロース株で、今回の下げはファンダメンタルズの悪化ではなく期待値の調整と見ます。

ディーラーの視点:好決算の「売り」は、決算前に期待で買われていた反動です。配当利回り3%台は下値で長期資金の買いが入りやすい水準で、1,000円の節目が意識されます。

10位 TWOSTONE&Sons(7352) -7.10%

下げた理由:10月19日にストップ高(579円)を付けた後、20日の-17.27%に続く2日続落です。新規の悪材料ではなく、AIセキュリティ参入とサイバーセキュリティクラウドとの提携で集まった短期資金の利益確定が続いています。

今後の展望:10月15日発表の今期計画は営業利益15.3億円(前期比89%増)と大幅増益です。ただ10月6日に前期の営業利益予想を38.8%下方修正したばかりで、計画の実現性が問われます。

配当:年1円予想、利回り約0.2%、配当性向は予想EPS17.3円に対し約6%。

アナリストの視点:エンジニアマッチングの売上は13期連続増収で、新規事業の立ち上げ費用が一巡すれば利益率は改善する見込みです。四半期ごとの進捗で「89%増益」の確度を確認したいところです。

ディーラーの視点:急騰前の水準(ストップ高連続前の360円台)まで調整するかが焦点です。テーマ株として値幅が大きく、ストップ高の窓を埋めにいく動きを想定しておくべきでしょう。

まとめ:逆張りで検討できるのは1銘柄だけ

10銘柄のうち、業績が伸びたうえで売られたのは令和AHだけでした。下げの性質を3つに分けると、狙い目がはっきりします。

下げの性質

該当銘柄

逆張りの判断

企業価値そのものの毀損

ウェルディッシュ、BCC、ビープラッツ、海帆

見送り。ガバナンス・財務の改善を確認してから

前日急騰・S高の反動

VIS、オンデック、モダリス、TWOSTONE&Sons

急騰前の水準まで待つ。材料の継続性が条件

需給・期待値の調整

日本ナレッジ、令和AH

令和AHは配当利回り3%台で下値の検討余地あり

ディーラー目線で共通するのは、「前日に大きく上げた銘柄ほど翌日の下げも大きい」という短期資金の動きです。アナリスト目線では、無配・赤字の銘柄が10銘柄中7つを占め、配当を下支えにできる銘柄はごく一部でした。

本記事は公開情報をもとにした情報提供であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

主な出典:財経新聞(フィスコ)市況、株探ニュース、Yahoo!ファイナンス、各社適時開示

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