2026.10.5

2026年10月5日 下落率上位10銘柄

 

10月5日(月)の下落率トップは、不適切会計と監理銘柄指定が重なったアドバンスクリエイト(-19.32%)でした。プライムの大型株では、最大1,472億円の公募増資を発表したインフロニアHDが13.56%安と目立ちました。日経平均ベア型ETFが大きく下げており、指数が強い中で個別材料株と短期急騰株が売られた一日です。

本日の下落率ランキング(全市場・終値)

順位 銘柄(コード・市場) 終値(円) 前日比(円) 下落率 主な下落要因
1 アドバンスクリエイト(8798・プライム) 71 -17 -19.32% 不適切会計、特別注意銘柄・監理銘柄指定
2 インフロニアHD(5076・プライム) 2,330 -365.5 -13.56% 約20%の公募増資による希薄化
3 エムビーエス(1401・グロース) 1,500 -235 -13.54% 短期急騰後の利益確定
4 レイヤード(634A・スタンダード) 2,756 -394 -12.51% 直近IPOの換金売り
5 海帆(3133・グロース) 35 -5 -12.50% 赤字拡大、継続企業の前提への疑義
6 エクスモーション(4394・グロース) 728 -72 -9.00% 好決算でも材料出尽くし
7 fantasista(1783・スタンダード) 73 -7 -8.75% AIデータセンター思惑の利食い
8 スバル興業(9632・スタンダード) 4,650 -400 -7.92% 材料なき連日S高の反動
9 ビート・ホールディングス(9399・スタンダード外国) 12 -1 -7.69% 超低位株の1円安、希薄化懸念
10 フジコピアン(7957・スタンダード) 2,063 -158 -7.11% 上方修正・大幅増配後の調整継続

出所:Yahoo!ファイナンス 値下がり率ランキング(2026/10/05 16:59更新)。各銘柄の「アナリストの視点」「ディーラーの視点」は、開示情報と値動きをもとに当ブログが証券会社のプロの観点で整理した分析です。配当利回りは本日終値ベースです。

1位 アドバンスクリエイト(8798)-19.32%

  • 終値:71円(前日比-17円)
  • 1株配当:2026年9月期は中間無配・期末未定(前期も無配)
  • 配当利回り:0%
  • 配当性向:算出不可(最終赤字予想)

下げた理由

保険市場での不適切会計が発端です。第三者委員会は、2018年12月〜2025年9月に約75億円の売上前倒し計上を認定しました(調査報告書)。9月29日には東証から特別注意銘柄指定と上場契約違約金の通知を受けました。

さらに10月1日付で監理銘柄(審査中)に指定されました。プライムの流通株式時価総額・流通株式比率基準を改善期間内に満たせなかったためです(フィスコ)。9月18日には通期最終損益を4.5億円の黒字から3.91億円の赤字へ下方修正しており(松井証券)、悪材料が積み重なっています。本日単独の新規開示は確認できませんでした。

アナリストの視点

中間期決算で財務制限条項への抵触と継続企業の前提に関する重要な不確実性が示されています。営業黒字化は評価できますが、信頼回復と市場区分の行方が定まるまで業績で株価を説明するのは難しい局面です。カバレッジは「評価保留」が妥当という立場です。

ディーラーの視点

9月18日の急騰(終値174円)から半値以下になり、投げ売りが続いています。特別注意銘柄は機関投資家が保有しにくく、戻り売りが出やすい需給です。底打ちの判断は、商いを伴う下ヒゲを待つべきです。

今後の展望

焦点は改善計画書の提出、市場区分変更の審査結果、通期決算(11月中旬見込み)です。配当復活は中期的にも見通せず、逆張りはリスク許容度の高い投資家向けです。

2位 インフロニア・ホールディングス(5076)-13.56%

  • 終値:2,330円(前日比-365.5円)
  • 1株配当:2027年3月期計画132円(中間65円・期末67円)
  • 配当利回り:約5.67%
  • 配当性向:前期実績40.6%。今期計画は約42%、増資後の株数で単純計算すると約50%(概算)

下げた理由

10月2日の引け後に公募増資を発表しました。新株4,782万株とOA717万株で、発行済株式の約20%にあたります(IPOゲッター)。調達額は最大1,472億円で、過去の買収資金の借入返済と将来のM&Aに充てます(Bloomberg)。希薄化と需給悪化を嫌った売りが寄り付きから先行しました(ライブドアニュース)。

アナリストの視点

三井住友建設(10月1日にアルソシア建設へ社名変更)と水ingの買収で膨らんだ負債を圧縮する、財務規律のある調達です。一方でEPSは最大20%薄まります。今期計画の当期利益855億円は第1四半期の761億円に大きく依存しており、本業の事業利益(計画867億円)の成長を追うべきです(決算説明資料)。7月以降には外資系で目標株価3,150円、中堅証券で3,650円の強気評価があり(株予報)、中期の成長シナリオ自体は崩れていません。

ディーラーの視点

PO発表後は、発行価格決定(10月21〜26日)までヘッジ売りや空売りが入りやすいのが定石です。ディスカウント率は3〜5%で、置きにいく取引が続きます。価格決定前後のアク底を拾うのが「PO外し」の王道です。

今後の展望

公募株の受渡は10月28日〜11月2日で、中間配当(基準日9月30日)の対象外です。配当利回り5%台後半は、増資の需給が一巡すれば下支えになります。減配リスクよりも、増資後の配当方針が維持されるかが焦点です。

3位 エムビーエス(1401)-13.54%

  • 終値:1,500円(前日比-235円)
  • 1株配当:2026年5月期実績15円(6期連続増配)。2027年5月期は未定
  • 配当利回り:実績ベース約1.0%
  • 配当性向:前期実績18.5%

下げた理由

個別の悪材料は確認できていません。株価は9月18日の1,311円から10月2日の1,735円まで約32%上昇しており、RSIは90超えの過熱圏でした(投資の森)。普段は1日2万株程度の薄商いで、利益確定売りが一気に出たとみられます。

アナリストの視点

2026年5月期は経常利益9.45億円(+40.6%)で3期連続の最高益でした(株探)。ただし今期の業績見通しと配当は非開示で、バリュエーションの拠り所がありません。PBRは3倍前後と割高寄りです。

ディーラーの視点

決算前の期待で買い上がった小型株は、値幅が出やすいです。本日の出来高は約15万株と普段の7倍超で、短期資金の逃げ足が速い局面です。急騰前の1,300円台前半までの窓埋めも想定しておくべきです。

今後の展望

10月13日の第1四半期決算が最大の分岐点です。通期予想と配当予想が示されれば、続伸してきた増配の持続性を確認できます。

4位 レイヤード(634A)-12.51%

  • 終値:2,756円(前日比-394円)
  • 1株配当:予想0円(無配)
  • 配当利回り:0%
  • 配当性向:0%

下げた理由

9月25日に公開価格1,400円で上場した医療DX企業です(IPO解説)。上場後は初値から一気に買われ、9月30日には3,815円まで上昇しました(マネックス証券)。本日は10月2日の12%高の反動で、短期資金の利益確定が先行しました。同じく直近IPOのakippa(627A)も安く、新興株全体に換金売りが出た形です。

アナリストの視点

予約・WEB問診・電話自動応答などのクラウドで、稼ぐ力は本物です。今期の経常利益予想は4.32億円(+28.2%)、予想EPSは107円です。本日終値でPERは約26倍と、初値時点の約21倍から少し割高になっています。

ディーラーの視点

上場直後の小型IPOは、信用取引ができないうちは個人の短期売買が主役です。9月30日は高値から約20%下げて引けており、上値にはしこりが残っています。短期は2,500円前後が下値の目安です。

今後の展望

主要株主には180日のロックアップがあり、当面の大口売りは出にくいです。初の四半期決算で成長の持続を示せるかが焦点です。配当は成長投資を優先する段階です。

5位 海帆(3133)-12.50%

  • 終値:35円(前日比-5円)
  • 1株配当:0円(無配)
  • 配当利回り:0%
  • 配当性向:算出不可(赤字)

下げた理由

業績と財務の悪化が続いています。決算期変更後の第1四半期は売上高-20.4%、純損失5.15億円で、継続企業の前提に重要な疑義が付きました(Yahoo!ファイナンス)。2026年3月期の有価証券報告書には監査法人が「意見不表明」を出しています(マネックス証券)。10月2日の-9.09%に続く連日の大幅安です。

アナリストの視点

自己資本比率は4.9%まで低下し、ネパール水力発電事業も収益化時期が延期されています。意見不表明は上場維持の判断に関わり得る重大な事象です。企業価値を業績から評価できる段階にはありません。

ディーラーの視点

35円の超低位株では、1円動くだけで2.9%の変動です。掲示板では新株予約権などの資金調達を警戒する声が多く、買い向かう主体が乏しい状態です。リバウンド狙いはギャンブルに近いと考えるべきです。

今後の展望

次の決算発表は11月13日の予定です。資金繰りと上場維持に関する開示を最優先で確認する局面です。

6位 エクスモーション(4394)-9.00%

  • 終値:728円(前日比-72円)
  • 1株配当:2026年11月期予想12.5円(株式分割調整後)
  • 配当利回り:約1.72%
  • 配当性向:前期実績47.3%。今期は予想EPS22.0円に対し約57%

下げた理由

10月2日の第3四半期決算は、累計経常利益1.6億円(+17.6%)、通期計画に対する進捗率77.7%と堅調でした(株探)。ただし株価は決算前に5日で約15%上昇し、年初来高値を更新していました。決算で新たな買い材料が乏しかったこともあり、「材料出尽くし」の売りが出ました。

アナリストの視点

組み込みソフトの品質改善コンサルで、自動車分野が主力です。増益基調は続いていますが、PERは約33倍と成長率に対して安くはありません。自己資本比率は約90%で、累進配当方針が株価の下支えになります(finboard)。

ディーラーの視点

決算後のPTSから売りが先行し、本日は利食いの仕上げとなりました。急伸前の700円前後まで押せば、需給は一巡するとみています。

今後の展望

累進配当で減配リスクは低い銘柄です。通期決算(1月上旬の見込み)での上振れと来期の増配が次の材料です。

7位 fantasista(1783)-8.75%

  • 終値:73円(前日比-7円)
  • 1株配当:0円(無配、株主優待あり)
  • 配当利回り:0%
  • 配当性向:0%

下げた理由

9月に仙台市でのAIデータセンター開発の方針と基本合意を開示し、思惑買いが入っていました(インベストJP)。10月2日に+8.1%の80円まで上げた反動で、本日は利食い売りが優勢でした。新たな悪材料は確認できません。

アナリストの視点

第3四半期累計の経常利益は1.5億円と黒字化しましたが、期初計画4億円に対する進捗は4割弱です(株予報)。予想PERは約47倍と割高で、データセンターは収益化まで時間がかかるテーマです。

ディーラーの視点

70円台の低位株で、1円当たりの変動率が約1.4%と大きい銘柄です。テーマ物色が続く限り値動きは荒く、信用買い残の推移が需給の鍵です。

今後の展望

11月中旬の本決算で、通期計画の達成度合いとデータセンター事業の具体的な数字が示されるかが焦点です。

8位 スバル興業(9632)-7.92%

  • 終値:4,650円(前日比-400円)
  • 1株配当:年間80円(予想)
  • 配当利回り:約1.72%
  • 配当性向:約33%(予想PER19.3倍から逆算した概算)

下げた理由

9月30日と10月1日に2日連続でストップ高し、10月2日には5,510円まで上昇しました。しかし会社側からの材料は出ていません。親会社の東宝が50%超を保有する親子上場で、再編への思惑が取り沙汰されています(株探/フィスコ)。本日は裏付けのない急騰に対する利益確定売りです。

アナリストの視点

本業は道路維持管理で、中間期の営業利益は24.59億円(-11.5%)と減益でした(みんかぶ)。自己資本比率84.3%の無借金体質は魅力ですが、業績だけでは急騰前の3,500円前後が妥当圏です。現在の株価は、TOBなどのプレミアムを先取りした水準です。

ディーラーの視点

材料未確認の連続S高は、続報がなければ後半で崩れやすいパターンです。一方、本当に再編が発表されれば上に窓を開けるため、安易な空売りも危険です。値幅は上下ともに大きく、ポジションは小さく取るべき局面です。

今後の展望

東宝または会社側からの正式な開示がない限り、思惑の剥落で下値を探る展開が想定されます。配当利回り1.7%台は、急騰前の2%超から見劣りしています。

9位 ビート・ホールディングス・リミテッド(9399)-7.69%

  • 終値:12円(前日比-1円)
  • 1株配当:なし
  • 配当利回り:0%
  • 配当性向:算出不可

下げた理由

13円から12円への1円安で、下落率が大きく見えています。ケイマン諸島籍の持株会社で、行使価額修正条項付き新株予約権の行使が毎月続いています(日経)。新株が市場に放出され続ける構造が、形を変えた売り圧力です。

アナリストの視点

事業はSMS配信やIPライセンシング、ビットコインETF保有などです。年初来高値は92円(1月6日)で、株価はその約8分の1です。希薄化型の資金調達が続く限り、ファンダメンタルズでの評価は困難です。

ディーラーの視点

10円台の値動きは「1円刻みの板の取り合い」で、下落率ランキングに入りやすい銘柄です。仮想通貨相場に連動して短期資金が出入りしますが、継続的な希薄化で上値は重いです。

今後の展望

臨時株主総会の議案と、新株予約権の月次行使状況が確認ポイントです。配当目的の投資対象にはなりません。

10位 フジコピアン(7957)-7.11%

  • 終値:2,063円(前日比-158円)
  • 1株配当:2026年12月期予想170円(前期40円、期末一括)
  • 配当利回り:約8.24%
  • 配当性向:約21%(会社予想EPS814.51円ベース)

下げた理由

8月10日に通期の最終利益を6億円から12.5億円へ上方修正し、配当を118円から170円へ引き上げました(松井証券)。株価は8月13日に2,850円まで急騰した後、調整が続いています。直近5日で-15.5%、20日で-20.7%と下げ足を速めています(松井証券)。

アナリストの視点

最終利益の大半は政策保有株式の売却益で、通期の営業利益は3.5億円にとどまります。本業の利益だけでは170円配当を賄えず、実質的には一過性の特別な還元とみるべきです。配当は年により40〜97円と変動しており(かぶはいDB)、来期の減配リスクは高めです。

ディーラーの視点

発行済株式約179万株の小型株で、平常時は出来高が極端に少ない銘柄です。上方修正で入った短期資金が抜け切るまで、薄い板を売りが叩く展開が続いています。上方修正前の1,600円台がひとつの目安です。

今後の展望

配当基準日は12月31日(権利付き最終日は12月28日)です。年末に向けては高配当を狙う買いが入りやすく、権利取りの逆張り候補になり得ます。ただし権利落ち後の大幅安には注意が必要です。

本日のまとめ:逆張り候補はどれか

本日の10銘柄は、下げの質で大きく3つに分かれます。逆張りを検討できるのは、事業が健全で配当の裏付けがある銘柄に限られます。

分類 銘柄 ポイント
需給要因(業績は健全) インフロニアHD、エクスモーション、エムビーエス、レイヤード 増資の価格決定や短期過熱の解消後に押し目を拾う余地
思惑の剥落・一過性還元 スバル興業、フジコピアン、fantasista 材料の裏付けや配当の持続性を確認してから
企業の存続・信頼に関わる悪材料 アドバンスクリエイト、海帆、ビートHD 逆張りは見送りが無難

配当重視で見ると、インフロニアHD(利回り約5.7%、性向約40〜50%)が本日の本命です。フジコピアンの利回り8%超は魅力的ですが、売却益を原資とする一度きりの増配と割り切る必要があります。

免責事項

本記事は情報提供を目的とし、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。「アナリストの視点」「ディーラーの視点」は当ブログによる分析で、特定の証券会社や個人の見解ではありません。配当は会社予想または実績に基づき、概算値を含みます。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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