2026.10.7

2026年10月7日 下落率上位10銘柄

 

本日の相場と下落率トップ10

10月7日の日経平均は前日比648円安の70,035円と反落しました。前日に3カ月ぶりの7万円台を回復した反動で、AI・半導体株を中心に利益確定売りが優勢となり、東証グロース指数も大幅に3日ぶり反落しています。下落率上位は、好決算の出尽くし、訴訟、増資の希薄化、テーマ株の回転売りと、理由がはっきり分かれました。

順位 銘柄(コード・市場) 下落率 終値 主な下落理由 配当利回り(予想) 配当性向(予想)
1 note(5243・東G) -18.2%(S安) 3,150円 好決算も出尽くし 0%(無配) 0%
2 WIZE(3664・東G) -13.0% 20円 低位株の材料一巡 0%(無配・未定) —
3 アイズ(5242・東G) -12.8% 1,929円 急騰後の信用整理 0%(無配) 0%
4 カルナバイオ(4572・東G) -12.0% 360円 増資の希薄化・好材料に反応薄 0%(無配) — (赤字)
5 ACCESS(4813・東P) -11.4% 367円 米子会社で訴訟提起 0%(無配) 0%
6 エルテス(3967・東G) -11.3% 698円 セキュリティ株の回転売り 0%(無配) 0%
7 アズジェント(4288・東S) -11.2% 553円 セキュリティ株の回転売り 0%(未定) —
8 akippa(627A・東S) -10.7% 1,480円 IPO後の過熱調整 0%(無配) 0%
9 AIストーム(3719・東S) -9.7% 102円 AI関連の利益確定 2.94%(3円) 約46%
10 新東(5380・東S) -9.6% 1,169円 薄商いの売り・上場維持基準問題 3.21%(37.5円) 約87%

配当性向は会社予想の1株配当÷予想1株利益で算出しています。無配の銘柄は0%、赤字や予想未定の銘柄は算出不可(—)としました。

1位〜5位の個別解説

1位 note(5243)-18.2% ストップ安

下落理由: 6日引け後の第3四半期累計決算は売上高40.6億円(前年比33%増)、営業利益8.5億円(6.7倍)と好調でした。それでも通期予想(営業利益11億円)を据え置いたため、出尽くし感から売りが殺到しました。9月29日に姫路市の全市立学校へのnote pro導入を開示して高値圏にあったことも、利益確定を呼びました。

今後の展望: 通期営業益に対する進捗率は約77%で、会社も上振れペースと説明しています。本決算(1月)での上方修正余地はあります。

配当: 無配(配当利回り0%・配当性向0%)。成長投資優先の段階です。

アナリストの視点: 予想PER約51倍は、営業利益4.3倍増の成長を考えれば説明がつく水準です。売上の伸びが続く限り、今回の下げは評価の巻き戻しであって業績の悪化ではありません。

ディーラーの視点: 信用倍率は約980倍と買い残に極端に偏っています。ストップ安で売り切れず、翌日も投げ売りが続く展開に注意です。売買代金約60億円を伴った下げなので、需給が整うまで数日見たいところです。

2位 WIZE(3664)-13.0%

下落理由: 個別の悪材料の開示は見当たりません。9月30日にスタンダード市場への区分変更準備を発表して上昇しており、20円台の低位株として値幅取りの売りに押されました。出来高は約5,260万株と膨らんでいます。

今後の展望: 区分変更は「継続企業の前提に関する注記」の解消が前提で、時期は未定です。今期は経常黒字(1.05〜1.7億円)を見込みますが、営業損益は2.7億円の赤字予想で、本業の立て直しはこれからです。

配当: 無配、今期予想は未定(利回り0%、配当性向は算出不可)。

アナリストの視点: 経常黒字は営業外収益頼みです。本業の赤字が続く間は、区分変更の思惑だけで評価を上げるのは難しい銘柄です。

ディーラーの視点: 1円の動きが約5%になる価格帯で、短期資金の出入りがそのまま値動きになります。材料が一巡すると戻り売りが続きやすい形です。

3位 アイズ(5242)-12.8%

下落理由: 当日の開示はなく、需給要因の下げです。9月にファクタリングサービス「レゾナス」の買取額急増で急騰した後、信用買い残の整理売りが続いています。

今後の展望: 今期は売上10億円、営業利益700万円とわずかな黒字回復の見通しです。11月13日の第3四半期決算で、レゾナスがどこまで業績に乗るかが焦点です。

配当: 無配(利回り0%・配当性向0%)。

アナリストの視点: 予想PERは約660倍で、株価は完全に期待先行です。ファクタリングは貸し倒れリスクを伴うため、買取額の伸びと損失率をセットで確認する必要があります。

ディーラーの視点: 発行済株式は約103万株と極端な品薄です。信用買い残約21万株は発行済の約2割にあたり、板が薄いため一方向に振れやすい銘柄です。

4位 カルナバイオサイエンス(4572)-12.0%

下落理由: 6日に、がん治療薬候補monzosertibの米国医師主導治験の契約締結と欧州特許の付与予定を発表しましたが、買いは続きませんでした。9月28日に発表した第三者割当(転換社債5.6億円+新株8.5億円、潜在希薄化約17%)への警戒が上値を抑え、好材料に反応しない失望売りが出ました。

今後の展望: 今期も営業赤字20億円規模の見通しで、調達額13.7億円では1年分の赤字を賄えません。パイプラインの導出契約が出るかどうかが株価の分かれ目です。

配当: 無配(赤字のため配当性向は算出不可)。

アナリストの視点: 創薬ベンチャーとしてパイプラインの科学的評価は別にして、資金繰りの面では追加調達の可能性を織り込んでおく必要があります。

ディーラーの視点: 転換社債の転換・売却が進む局面では、戻りが売られやすくなります。好材料に反応しなかった事実そのものが、短期筋には弱気のシグナルです。

5位 ACCESS(4813)-11.4%

下落理由: 6日引け後、米国子会社IP Infusionの元幹部2人から、不当な扱いと解雇を理由に米カリフォルニア州の裁判所で訴訟を起こされたと発表しました。請求額は明らかにされておらず、業績への影響が読めないことが嫌気されました。東証プライムの値下がり率1位です。

今後の展望: IP Infusion側は8月に、同じ元幹部2人を善管注意義務違反などで先に提訴しています。今期(2027年1月期)は売上230億円、営業利益8億円と黒字転換を計画しており、本筋はこの黒字化の進捗です。

配当: 無配(利回り0%・配当性向0%)。

アナリストの視点: 元従業員による雇用関連の訴訟は、一般に業績への直接的な影響が限られるケースが多いです。ただ請求額が不明な間は、リスクプレミアムが株価に乗り続けます。

ディーラーの視点: 信用買い残は約310万株(倍率5.9倍)あり、整理売りが続く可能性があります。一方、安値359円から引けは367円と下ひげをつけており、360円近辺で押し目買いが入ったことも確認できます。

6位〜10位の個別解説

6位 エルテス(3967)-11.3%

下落理由: 個別の悪材料は出ていません。企業の情報漏えいが相次ぎ、サイバーセキュリティ株には連日買いが入っており、同社も10月2日にストップ高をつけていました。7日もセクターは強かったものの、寄り付き827円から一度も戻らず安値の698円で引けており、先に上がった銘柄から資金が抜けた形です。

今後の展望: 10月14日に第2四半期決算を控えています。今期は売上85億円、営業利益4.8億円、最終黒字転換(1.8億円)を見込み、テーマ人気が業績で裏付けられるかが焦点です。

配当: 無配(利回り0%・配当性向0%)。

アナリストの視点: 予想PER約24倍はテーマ株としては過熱とまでは言えません。ただ前期は最終赤字で、利益の質を決算で確認するまでは評価を上げにくい状況です。

ディーラーの視点: 信用倍率約99倍と買い残が大きく、寄り天・大引け安値は典型的な手仕舞いのサインです。決算前のポジション調整が続く可能性があります。

7位 アズジェント(4288)-11.2%

下落理由: エルテスと同じく、セキュリティ関連としての上昇後の回転売りです。始値650円、高値671円から553円まで押し戻されました。売買代金23億円は時価総額21億円を上回っており、短期資金が一日で入れ替わったことを示しています。

今後の展望: 今期は営業利益0.5億円と前期比66%の減益予想です。セキュリティ製品の需要増が業績予想をどこまで押し上げるか、11月の中間決算が試金石になります。

配当: 前期は無配、今期は未定(利回り0%、配当性向は算出不可)。

アナリストの視点: 減益予想で予想PER約42倍、PBR約4.7倍はテーマ性だけで買われた水準です。上方修正がなければ、株価の正当化は難しいと見ます。

ディーラーの視点: 時価総額を超える売買代金は、その日のうちに資金が抜ける回転相場の典型です。テーマが続く間は再び噴く可能性もありますが、値幅も振れも大きい銘柄です。

8位 akippa(627A)-10.7%

下落理由: 9月に上場した直近IPO銘柄です。9月28日にストップ高(2,037円)をつけた後、10月1日には過熱感から急落し、本日も調整が続きました。高値からの下落率は約27%です。当日の個別材料は見当たりません。

今後の展望: 駐車場シェアサービスを展開し、今期は売上43億円(12%増)、営業利益3.4億円(69%増)の増収増益見通しです。DeNAとSOMPOが5%超の大株主として報告しており、大株主の売却制限(ロックアップ)条件は確認しておきたいポイントです。

配当: 無配(利回り0%・配当性向0%)。

アナリストの視点: 予想PER約31倍は成長率に見合う範囲ですが、PBR約14.7倍は割高です。上場後最初の決算で計画達成の確度を示せるかが評価の分かれ目です。

ディーラーの視点: 信用倍率約61倍と買いが積み上がっています。IPO直後の初動が終わり、需給が落ち着くまでは戻り売りが出やすい局面です。

9位 AIストーム(3719)-9.7%

下落理由: 個別の開示はなく、AI関連株全般の利益確定売りに巻き込まれました。安値は101円で、100円の節目を守れるかの攻防になっています。

今後の展望: 4月に日本テレシステムを子会社化し、7月にはオーロラ・モバイル日本法人と提携しました。今期は売上40億円(51%増)、営業利益5億円(82%増)の大幅増益を計画しています。

配当: 予想1株配当3円、配当利回り2.94%、配当性向約46%(予想EPS6.5円)。

アナリストの視点: 予想PER約16倍は、成長率から見ると割高感はありません。M&Aで膨らんだ売上の利益率が維持できるかを、11月の決算で確認したいところです。

ディーラーの視点: 100円割れは心理的な節目割れとなり、投げを誘いやすい価格帯です。逆に100円を守れば、配当利回り約3%が下支えとして意識されます。

10位 新東(5380)-9.6%

下落理由: 当日の個別開示は見当たりません。出来高は1.9万株、売買代金は約2,200万円と非常に薄く、少ない売りで値が飛んだ形です。同社は流通株式時価総額の上場維持基準に適合しておらず、7月1日付で監理銘柄(確認中)に指定されています。この上場維持問題が、上値を重くする背景です。

今後の展望: 前期(2026年6月期)は最終赤字1.15億円でしたが、今期は最終黒字0.3億円への回復を見込みます。上場維持基準の判定結果がどうなるかが、株価にとって最大の材料です(判定状況は最新の開示で要確認)。

配当: 予想1株配当37.5円、配当利回り3.21%、配当性向約87%(予想EPS43.2円)。前期は赤字でも37.5円を維持しています。

アナリストの視点: PBR約0.26倍と資産面では極めて割安です。ただ配当性向約87%は、利益が計画を下回れば減配余地があることを示します。上場維持の行方が不透明な間は、割安さだけでは買えません。

ディーラーの視点: 時価総額約10億円、一日の売買代金が数千万円の超薄商い銘柄です。売りたいときに売れないリスクがあり、上場維持の結論が出るまでは手を出しにくい銘柄です。

総括:今日の下げは4つのパターン

今日の上位10銘柄のうち、業績悪化そのものが理由の銘柄はありませんでした。下げは次の4つに分けられます。

パターン 該当銘柄 逆張りで見るポイント
好決算の出尽くし note 業績は好調。信用買い残の整理が終われば見直されやすい
会社固有の悪材料 ACCESS(訴訟)、カルナバイオ(希薄化) 悪材料の大きさが数字で見えるまで待つ
テーマ株の回転売り エルテス、アズジェント、AIストーム、akippa、アイズ 決算でテーマが業績に表れるかを確認
低位・薄商いの需給 WIZE、新東 流動性と上場維持の問題が先。割安さだけでは判断しない

10銘柄中8銘柄が無配で、配当を下値の支えにできるのはAIストーム(利回り2.94%)と新東(3.21%)だけです。ただ新東は配当性向約87%と余力が小さく、上場維持の問題も抱えています。逆張りのタイミングを計るなら、noteのように業績が伴っている銘柄の需給整理を待つのが筋が良いと考えます。

※本記事の「アナリストの視点」「ディーラーの視点」は、公開情報をもとに証券会社のアナリストとディーラーの典型的な分析手法で整理したものであり、特定の人物の見解ではありません。特定銘柄の売買を推奨するものではなく、投資判断はご自身の責任で行ってください。株価・指標は2026年10月7日終値時点です。

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