2026.10.16 下落率上位10銘柄
10月16日は日経平均が898円高の65,324円と7日ぶりに反発し、グロース250も約3%上げました。その強い地合いの中で急落したのは、決算失望・業績下方修正・直近IPOの需給悪化という個別要因を抱えた銘柄です。
本日の下落率ランキング(東証)
東証上場銘柄の終値ベースの値下がり率上位10銘柄です(名証NEXTのエスポアは対象外)。配当利回りは本日終値で計算しています。
| 順位 | 銘柄(コード・市場) | 終値(円) | 前日比 | 下落率 | 予想配当 | 配当利回り | 配当性向 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | イントランス(3237・グロース) | 70 | −24 | −25.53% | 無配 | 0% | ― |
| 2 | パシフィックネット(3021・スタンダード) | 1,255 | −336 | −21.12% | 65円 | 5.18% | 約38.7% |
| 3 | ネイス(589A・グロース) | 1,020 | −270 | −20.93% | 無配 | 0% | ― |
| 4 | TENTIAL(325A・グロース) | 1,532 | −400(S安) | −20.70% | 無配 | 0% | ― |
| 5 | GRCS(9250・グロース) | 1,266 | −292 | −18.74% | 無配 | 0% | ― |
| 6 | レイヤード(634A・スタンダード) | 3,135 | −700(S安) | −18.25% | 無配 | 0% | ― |
| 7 | HIOKI(6866・プライム) | 9,140 | −1,580 | −14.74% | 240円 | 2.63% | 約43% |
| 8 | ルクレ(648A・グロース) | 2,000 | −295 | −12.85% | 8円 | 0.40% | 約16% |
| 9 | 関通HD(9326・グロース) | 415 | −61 | −12.82% | 10円(従来計画) | 2.41% | 今期算出不可(前期49.1%) |
| 10 | KOMPEITO(618A・グロース) | 1,766 | −232 | −11.61% | 無配 | 0% | ― |
各銘柄の「アナリストの視点」「ディーラーの視点」は、証券会社のアナリスト(業績・バリュエーション重視)とディーラー(需給・値動き重視)の分析手法に沿って当ブログがまとめたもので、特定の証券会社の見解ではありません。
1位 イントランス(3237)−25.53%
明確な開示がないまま、普段の10倍超の出来高を伴って値幅制限の下限付近まで売られました。不動産・ホテル運営に加え、AIデータセンター事業を掲げる低位株です。
下落理由
- 始値94円から一時104円まで上げた後、引けにかけて急落。安値64円は当日の値幅制限の下限です。
- 出来高は約1,909万株。直前数週は週間100万~150万株程度で、短期資金の流入と投げが一日で起きた形です。
- 9月には「ホテル出店合意書の合意解約」や「主要株主の異動」が開示されており、成長戦略と株主構成の不透明感が下地にあります。
アナリストの視点
時価総額は約33億円と、グロース市場の時価総額基準(40億円)を下回る水準です。過去12四半期は業績が悪化傾向で、PBRは16倍超と割高に見えます。ファンダメンタルズの裏付けではなく、テーマ性で値が付いている銘柄と評価します。
ディーラーの視点
高値掛け後の突然の崩れと大商いは、仕掛け的な買いの手仁舞いを疑う値動きです。信用買い残は約540万株(9月中旬時点)と重く、来週は追証絡みの投げが出やすい局面です。添え山の絵ではないと見ます。
今後の展望
年初来安値53円(3月)が次の目安です。上場維持へ向けた時価総額対策や新たな開示が出るまでは、逆張りの対象にしにくい銘柄です。
- 配当:無配(株主優待はデジタルギフト)
- 配当性向:―
2位 パシフィックネット(3021)−21.12%
第1四半期(2026年6~8月)の営業利益が前年同期比40.6%減の1.91億円に落ち込み、失望売りが集中しました。PCなどIT機器のレンタル・サブスクと、回収・データ消去を手掛ける会社です。
下落理由
- 売上高は8.2%増の25.8億円と伸びた一方、ITサブスク事業の収益性が低下しました。
- 経常利益は51.0%減の1.4億円。通期計画13億円に対する進捗率は11.5%にとどまりました。
- 前年同期の進捗は高く、「通期計画は本当に達成できるのか」という疑問が一気に広がりました。
アナリストの視点
会社は通期で経常利益13.0億円、1株利益168.1円を維持しています。本日終値での予想PERは約7.5倍で、計画が守られるなら割安です。ただし下期偏重が鶴くなったため、市場は下方修正リスク分を先に織り込んだと見ます。焦点は第2四半期の粗利率回復です。
ディーラーの視点
年初来安値(1,526円、7月)を一気に割り込み、上値には投げ切れていない売りが残ります。一方で利回り5%超は配当狙いの買いを呼びやすく、1,200円台での下げ渋りが最初の判断材料になります。
今後の展望
高配当とDOE(純資産配当率)導入で株主還元の下支えはあります。中間決算で利益の持ち直しが確認できれば、本日の下落幅の一部を戻す余地がある、今回では最も逆張り向きの候補です。
- 配当:2027年5月期予想65円(前期52円から13円増配計画)、利回り5.18%
- 配当性向:約38.7%(65円÷予想1株利益168.1円)
3位 ネイス(589A)−20.93%
前期は増益でも会社計画に届かず、今期は経常利益25.7%減の減益予想を出したことが嫌気されました。子ども向け体操教室と発達支援施設を展開する、6月上場の新興株です。
下落理由
- 2026年8月期の経常利益は6.06億円(69.3%増)。ただし会社予想6.8億円を約11%下回り、営業利益は約16%の未達でした。
- 2027年8月期は経常利益4.5億円と、前期比25.7%の減益見通しです。
- 上場時の高成長シナリオが一旦崩れ、公開価格1,320円を大きく割り込みました。
アナリストの視点
会社は前期に発生した直営店の譲渡取引を今期予想に織り込んでいないと説明しています。つまり減益の一因は保守的な前提で、本業の店舗数・会員数の伸び自体は続いています。ただし「計画未達の直後に減益ガイダンス」の組み合わせは、上場来のガイダンス信頼度を大きく損ないます。
ディーラーの視点
前日の夜間PTSで既に1,100円付近まで売られ、寄り付きから安く始まりました。年初来安値1,126円(7月)を割り込んだため、チャート上の支えがない「真空地帯」に入っています。数日は投げの出尽くしを待つ局面です。
今後の展望
時価総額は約46億円の小型株です。直営店譲渡など一過性利益が上乗せされれば上方修正の潜在性はあり、第1四半期決算(1月予定)での進捗確認が反転の条件です。
- 配当:無配(上場以来配当実績なし)
- 配当性向:―
4位 TENTIAL(325A)−20.70%(ストップ安)
前期は過去最高益でも、今期の営業利益予想が「41億~53億円」と幅を持たせた形で、上限でようやく市場予想並みだったことが嫌気されました。リカバリーウェア「BAKUNE」を主力とするブランド企業です。
下落理由
- 2026年8月期は売上高332億円、営業利益38.2億円と過去最高。ただし経常利益はIFISコンセンサスを下回りました。
- 本社移転に伴う解約損失3.28億円を計上しています。
- 今期の営業利益予想は前期比7.4~38.9%増。市場コンセンサス53億円はレンジの上限で、「下限だと大幅未達」と受け取られました。
アナリストの視点
会社は2031年8月期に売上高1,000億円超、営業利益115億円超という中期目標を示しました。方向性は強気ですが、単年度は広告宣伝や新カテゴリーへの投資で利益がブレやすくなります。予想1株利益142円に対し本日終値のPERは約10.8倍と、成長株としてはすでに割安圏です。
ディーラーの視点
終日売り気配で、約定は大引けの比例配分のみ(出来高9万7,700株)でした。売りきれない注文が来週に持ち越され、信用買い残約102万株の投げも重なります。週明けも安く始まる可能性が高く、底打ち確認は引け値での下げ渋りを待ちたいところです。
今後の展望
業績の骨格は崩れておらず、需給の悪化が一巡すれば今回の10銘柄の中で強い反発候補です。第1四半期(9~11月)でレンジ上限ペースを示せるかが鍵になります。
- 配当:無配(成長投資を優先)
- 配当性向:―
5位 GRCS(9250)−18.74%
2026年11月期の業績予想を、営業黒字から赤字へ下方修正したことで続急落しました。情報セキュリティとGRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)の支援を手掛ける会社です。
下落理由
- 営業損益予想を「1.19億円の黒字」から「1.30億円の赤字」へ修正しました。
- 最終損益は0.67億円の黒字予想から、5.12億円の赤字へ大幅に悪化します。
- 売上高も36.78億円から35.69億円へ引き下げ。フィナンシャルテクノロジー事業の不振が主因です。
- 前日15日もセキュリティ関連株の利益確定売りで大きく下げており、2日連続の急落です。
アナリストの視点
前期も最終赤字5.27億円で、2期連続の大幅赤字になります。時価総額約19億円と小さく、当期赤字による自己資本の毀損と資金調達(増資による希薄化)のリスクが焦点です。セキュリティ需要というテーマ性だけでは、安易に評価を戻せません。
ディーラーの視点
10月初めにセキュリティテーマで短期間に1,000円台前半から1,800円台まで急騰していました。その上昇分の大半を吐き出した形で、本日セキュリティ株に買い戻しが入った中でも逆行した点は重いと見ます。急騰前の1,000~1,100円帯が次の目安です。
今後の展望
通期決算(1月予定)で来期の黒字化道筋が示されるまでは、上値は重いでしょう。逆張りはテーマ急騰時の短期トレードに限るのが無難です。
- 配当:無配
- 配当性向:―(赤字予想)
6位 レイヤード(634A)−18.25%(ストップ安)
14日・15日の2日連続ストップ高の反動で、一転してストップ安まで売られました。医科診療所向けに予約・問診・患者管理を提供する医療DX企業で、9月25日に上場したばかりです。
下落理由
- 業績に関わる新たな開示はなく、直近IPOとして「値幅取り」の対象になっていた反動です。
- 15日は約定が大引けの比例配分のみで、夜間PTSでは一時4,300円まで続伸。そこが天井となり、本日は利益確定売りが一気に出ました。
- 15日時点でPER35.8倍・PBR17.3倍、信用倍率132倍と、過熱感は明らかでした。
アナリストの視点
2026年6月期は売上高19.8億円、営業利益率17.3%、月次解約率0.38%とストック型の質は良好です。一方、今期予想1株利益は107円とほぼ横ばいで、本日終値でもPER約29倍。公開価格1,400円の2倍超は成長を先取りしすぎていると見ます。
ディーラーの視点
連続S高の後のS安は、短期資金が一斉に逃げたサインです。高値でつかまった買いが残り、来週も値幅の大きい乱高下が続きそうです。初値後にもみ合った2,800円前後は試されやすい水準と見ます。
今後の展望
初の四半期決算(11月13日予定)が次の大きな分岐点です。決算前の高値掛けは避け、需給が落ち着いてから業績で評価したい銘柄です。
- 配当:無配(設立以来配当実績なし、成長投資を優先)
- 配当性向:―
7位 HIOKI(6866)−14.74%
第3四半期累計(1~9月)は営業利益51%増の好決算でしたが、通期予想の据え置きで「材料出尽くし」の売りに押されました。電気計測器の中堅で、今回唯一のプライム銘柄です。
下落理由
- 売上高は358.7億円(22.8%増)、営業利益は71.9億円(51.0%増)。データセンター向け受動部品や蓄電池向けが伸びました。
- ただし上期の伸び(53.5%増)からサプライズは乏しく、通期営業利益95億円も据え置きでした。
- 15日は米CPI上振れで日経平均が3,318円急落し、半導体・AI関連の一角としてすでに売られていました。本日は続急落です。
アナリストの視点
内容自体は強く、受注高は40.0%増の416億円と売上を上回るペースです。AIサーバー向け高密度基板の検査需要で自動試験装置の受注は約2.2倍になりました。部品調達の遅れで売上計上が来期以降にずれ込むため、今期の上振れより「来期の伸び」を評価すべき局面と見ます。会社予想純利益75.4億円からの1株利益は約561円、本日終値のPERは約16倍です。
ディーラーの視点
6月の上方修正前後で株価は1万円超まで大きく上昇しており、決算を控えた「上方修正期待」の買いが一斉に外れた形です。2日間の下落で高値からの調整幅は大きく、半導体株の自律反発に乗れるかが来週の焦点です。
今後の展望
業績・受注ともに拡大局面で、今回の10銘柄では最もファンダメンタルズが堅い銘柄です。通期決算(1月)で来期の増益見通しが示されれば、本日の下落は押し目と評価される可能性があります。
- 配当:2026年12月期予想240円(上期120円・期末120円、前期200円から40円増配)、利回り2.63%
- 配当性向:約43%(240円÷予想1株利益約561円。前期実績は49.6%)
8位 ルクレ(648A)−12.85%
前日15日に上場し、初日に高値圏で引けた反動で、上場2日目に利益確定売りが先行しました。写真とAIで建設・教育・整備現場の記録業務をDX化する会社です。
下落理由
- 公開価格1,480円に対し初値は2,030円(37%高)。初日は一時2,344円まで上げ、2,295円で引けました。
- 本日は寄り付きから2,045円と窓を開けて始まり、初値付近の2,000円で終わりました。
- 出来高は約409万株と発行済株式の4割超が売買され、初日に買った短期筋の回転売りが中心です。
アナリストの視点
2026年9月期の会社予想は経常利益7.0億円(前期比2.1倍)、1株利益48.8円です。本日終値でもPER約41倍、PBR約22倍と、公開価格時点より大幅に高い評価です。利益が倍増する成長力は魅力ですが、当面は割高の調整が続きやすいと見ます。
ディーラーの視点
初日の安値1,894円が当面の下値の目安です。本日は安値1,940円から押し目買いが入り、夜間PTSでも小反発しています。上場直後で信用取引の売り圧力がない分、反発も速い値動きになりやすいです。
今後の展望
上場後初の本決算で今期見通しが示されるまでは、初値を軸に上下する展開が想定されます。ロックアップ解除条件も確認したいところです。
- 配当:2026年9月期予想8円(上場前から継続配当)、利回り0.40%
- 配当性向:約16%(8円÷予想1株利益48.8円)
9位 関通ホールディングス(9326)−12.82%
上期(3~8月)が黒字予想から一転して最終赤字となり、通期予想も取り下げて「未定」にしたことが嫌気されました。EC・通販の物流代行を主力とする会社です。
下落理由
- 売上高は18.6%増の102.7億円と伸びたものの、営業損益は0.58億円の赤字(予想は1.2億円の黒字)でした。
- 最終損益は1.35億円の赤字(予想は0.52億円の黒字)。大口顧客の取扱数量急減が利益を圧迫しました。
- 通期予想(経常利益4.09億円)を取り下げ、未定に変更しました。
アナリストの視点
第2四半期単体の売上営業利益率は前年同期の2.3%から−2.7%に急悪化しており、物流事業の赤字拡大が核心です。自己資本比率は17.0%(第1四半期末)と薄く、赤字が続けば財務余力が細ります。下期に予定する「クラウドトーマス」など大型受託開発の検収が、通期黒字の最大の鍵です。
ディーラーの視点
普段は470~480円台で小動きだった銘柄の窓開け急落で、予想未定は機関・個人ともに「割安かどうか判断できない」ため買い手が少なくなります。400円の大台を守れるかが短期の焦点です。
今後の展望
大口顧客の物量回復か代替顧客の獲得、そして通期予想の再開示までは上値が重いでしょう。配当方針が維持されるかどうかも、個人投資家の下支えを左右します。
- 配当:従来計画は期末10円(中間配当なし)、維持なら利回り2.41%。業績予想取り下げ後の配当予想は開示資料で要確認
- 配当性向:今期は算出不可(前期実績49.1%)
10位 KOMPEITO(618A)−11.61%
前期は大幅増収・黒字転換、今期も経常利益ほぼ倍増の計画でしたが、大幅続落しました。置き型健康社食「OFFICE DE YASAI」を展開する、9月上場の会社です。
下落理由
- 2026年8月期は売上高98.65億円(71.9%増)、経常利益8.68億円(前期2.45億円の赤字)。
- 2027年8月期は売上高136.83億円(38.7%増)、経常利益16.74億円(92.7%増)の計画です。
- 好内容にもかかわらず売られたのは、上場前から高成長が織り込まれていた「出尽くし」と、既存株主の売りによる需給悪化が重なったためと見られます。
アナリストの視点
会社試算の市場規模約9,000億円に対し、ARRは89.2億円と浸透率は約1%。成長余地は大きいと評価します。本日終値でも予想PERは約17倍と、経常倍増計画に対して割高とは言えず、業績面では下落の合理性は乏しいと見ます。
ディーラーの視点
IPOは公募5万株に対し売出413.9万株と、既存株主の換金色が強い構造でした。初値は公募割れの1,480円で、その後の上昇局面でも利益確定やVCの売りが出やすい銘柄です。公開価格1,600円付近が下値の目安になります。
今後の展望
需給が一巡すれば、業績成長とのギャップから見直し買いが入りやすい銘柄です。第1四半期(9~11月)で通期計画への順調な進捗を示せるかが転換点です。
- 配当:無配
- 配当性向:―
まとめ:本日の下落は3パターン
全体相場が強い日の急落は個別要因です。今日の10銘柄は次の3つに分けられます。
| パターン | 銘柄 | 逆張りの考え方 |
|---|---|---|
| 好決算・成長継続だが期待未達 | HIOKI、TENTIAL、KOMPEITO | 業績は崩れていない。投げが一巡し、引け値で下げ渋るのを確認してからが候補 |
| 業績の実質悪化・下方修正 | パシフィックネット、ネイス、GRCS、関通HD | 次の決算で回復の証拠が出るまで様子見。例外は利回り5%超で下値が限られやすいパシフィックネット |
| 需給主導の急落 | イントランス、レイヤード、ルクレ | 値動きが荒く、中長期の逆張りには不向き。手掛けるなら短期に限定 |
配当で見ると、有配はパシフィックネット(5.18%)、HIOKI(2.63%)、関通HD(2.41%、予想は要確認)、ルクレ(0.40%)の4銘柄だけです。配当性向が4割前後で減配余地が小さいのは、パシフィックネットとHIOKIの2銘柄です。
本記事は情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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